恋人 (徳永英明の曲)

德永英明の7枚目のシングルとして1989年4月21日にリリースされた「恋人」は、彼にとって新たな挑戦となった作品です。

デビュー以来、德永自身がA・B面両方の作詞・作曲を手掛けたのは本作が初めて。自身の内面を深く掘り下げ、よりパーソナルなメッセージを込めた楽曲となっています。

前年の「風のエオリア」に続き、2年連続で松下電器（現パナソニック）エアコン「Eolia」のCMソングに採用されたことも、この曲の注目度を高めました。CMの一場面を切り取ったジャケット写真からも、楽曲とCMとの親密な関係がうかがえます。

当時、TBSの音楽番組『ザ・ベストテン』のスポンサーは日立製作所でしたが、ライバル企業のCMソングである「恋人」は、前作「風のエオリア」と同様に、タイトルや歌詞を変えることなく番組内で披露されました。これは異例の対応であり、楽曲の持つ魅力と德永英明の人気を示すエピソードと言えるでしょう。

1989年秋に『ザ・ベストテン』が終了したため、本作が德永にとって最後のランクイン曲となりました。時代の節目を飾る曲としても、その名は刻まれています。

収録曲は以下の通りです。

1. 恋人
編曲：瀬尾一三

2. そして星になったよ
編曲：遠山裕

これらの楽曲は、以下のアルバムに収録されています。

REALIZE
INTRO.II
Ballade of Ballade
シングルコレクション (1986〜1991)
* SINGLES BEST

「恋人」は、德永英明の音楽キャリアにおいて、重要なターニングポイントとなった作品であり、彼の音楽性を深く理解するための必聴の1曲と言えるでしょう。CMソングとしての話題性だけでなく、アーティストとしての成長と挑戦が込められた、記憶に残る名曲です。

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