恋愛寫眞

映画『恋愛寫眞』について

『恋愛寫眞』（れんあいしゃしん）は、2003年6月14日に公開された日本映画であり、正式タイトルは『恋愛寫眞 Collage of our Life』です。監督は堤幸彦が務め、多くの観客の心をつかみました。

この映画は、東京とニューヨークを舞台にしたラブストーリーで、写真をテーマにしています。主人公の瀬川誠人（松田龍平）と里中静流（広末涼子）が写真を撮る様子が映し出され、視覚的な美しさが際立つ作品です。タイトルに使われた「寫眞」は古い表現であり、映画内では「恋愛」の古字体「戀愛寫眞」ではなく、新字体の「恋」が選ばれています。

また、本作には、市川拓司によって書かれた小説『恋愛寫眞 もうひとつの物語』が関連しています。この小説は映画と登場人物や舞台、写真撮影の要素を共通している一方で、ストーリー展開や人物性格は異なるため、別の視点から楽しむことができます。この小説は後に映画『ただ、君を愛してる』として、玉木宏と宮崎あおいが主演し、2006年に公開されました。

あらすじ

物語は、末端の仕事で生活をつなぐ売れないカメラマン、瀬川誠人が中心です。彼の元に、ニューヨークから死んだはずの元恋人、静流からの手紙が届きます。その手紙には、静流が生きていることが示唆されており、誠人は彼女を探しにニューヨークへ旅立ちます。

3年前、寂しげな理由で別れた誠人と静流。しかし、彼女は依然として誠人の心に深く残っており、彼は静流の過去を追うことになります。旅の途中で出会う牧師のカシアスや、静流の友達のダンサー志望のアヤ（小池栄子）と協力しながら、静流の影を追い求めます。

静流が送った写真を手がかりに、誠人はニューヨークの街を歩き回りながら彼女の足跡を辿ります。彼はアヤから静流が開こうとしていた個展の話を聞きますが、作品が不足していることを知ります。誠人は静流と同様の風景を追体験しながら写真を撮り続け、無事に個展を成功させます。

しかし、静流が実は亡くなっており、アヤが彼女を手にかけたことが明らかになります。自分の成功を誠人に認めさせず、彼をも攻撃しようとするアヤとの緊迫したやり取りの中、誠人は生き残り、心を打つ作品を撮る写真家へと成長していきます。

キャストとスタッフ

里中静流 - 広末涼子
瀬川誠人 - 松田龍平
アヤ - 小池栄子
カシアス - ドミニク・マーカス
* その他、多数のキャストが名を連ねています。

本作の制作には、堤幸彦が監督を務め、脚本は緒川薫が手掛けました。音楽は見岳章と武内享が担当し、視覚だけでなく音楽でも観客を魅了します。

『恋愛寫眞』は東京の東急文化会館での上映を最後に、新たな映画館へと移転するなど、多くの側面を持つ作品です。心温まるストーリーと視覚美が交錯するこの映画は、見る者に深い感慨を与えるものとなっています。

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