東急文化会館

東急文化会館について

東急文化会館（とうきゅうぶんかかいかん）は、東京都渋谷区にかつて存在した複合商業施設であり、渋谷駅前に位置していました。1956年に開業し、2003年にはその役割を終えました。当施設は、東急百貨店が所有・運営し、渋谷の文化的な拠点として多くの人々に親しまれてきました。正式名は「東急文化会館」ですが、別名「渋谷東急文化会館」とも呼ばれていました。

歴史

この建物は日本を代表する建築家、坂倉準三が設計を担当し、舞台機構においては森平舞台機構株式会社が手がけました。施工は清水建設が行い、鉄骨鉄筋コンクリート構造で地下1階・地上8階という規模を誇りました。館内には4つの映画館、美容室、レストラン、書店など多様な店舗が集まり、特に屋上には「天文博物館五島プラネタリウム」が設けられ、東京の名所の一つとして人気を博しました。

開業当初、国鉄渋谷駅の東口にあたる場所は東京都電のターミナルであり、交通の便も考慮されていたため、歩道橋が設置されていました。この歩道橋によって、東急東横線の改札口から段差な無く文化会館へアクセスできるようになっていました。

しかし、1989年には東急百貨店本店に併設され、日本初の大型複合文化施設であるBunkamuraが開業したことにより、東急文化会館はその重要性を失いました。2003年には、老朽化や地下鉄工事に伴う閉館が発表され、47年の歴史に幕を閉じました。2008年には、跡地に東京メトロ副都心線が開業し、2012年にはその跡地に「渋谷ヒカリエ」がオープンしました。

構造と施設

東急文化会館は、当初から多様なテナントが入居しており、映画館は特に目立っていました。渋谷パンテオン、渋谷東急、渋谷東急2、渋谷東急3の4つの映画館がありました。「渋谷パンテオン」は定員1,119人を誇る大型映画館で、プラネタリウムを完備したため、多くの人々に親しまれました。映画祭や特別イベントも頻繁に開催され、その名声は高まりました。渋谷東急や渋谷東急2も存在し、様々な映像作品が上映されていました。

また、文化理髪室も併設され、特に著名な野球選手・長嶋茂雄が通う理容室として知られていました。このように、東急文化会館は文化と商業の重要な交差点として機能していたのです。

年表

• - 1943年1月: 渋谷小学校の強制疎開が行われ、跡地が東京急行電鉄に譲渡。
• - 1956年12月1日: 東急文化会館が開館する。
• - 1989年: Bunkamuraが開業し、その影響で重要性が低下。
• - 2003年6月30日: 完全閉館。
• - 2012年4月26日: 渋谷ヒカリエが開業。

東急文化会館は、渋谷の発展とともに成長し、多くの人々に愛された文化施設であり、その跡地は今もなお渋谷の中心として栄えています。過去の思い出とともに今後の発展を見守る場所として、今も多くの人に親しまれているのです。

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