恋神 -ラブカミ-

『恋神 -ラブカミ-』は、株式会社ウィルプラスのブランドであるPULLTOPが開発し、2010年10月29日に発売された18禁恋愛アドベンチャーゲームです。人間と神様が共存するようになった世界を舞台に、学園生活での交流をコミカルに描いた作品となっています。

作品概要

本作は、突然人間界に降臨した神様たちと人間との共同生活を描いた、ドタバタ系のラブコメディです。特に「和」をテーマとしており、ブランドの持つ「みんな仲良く、かわいい世界」というイメージを基に、和風と現代、神話世界と都市といった新旧の要素を融合させた独特の世界観が構築されています。開発体制としては、それまでの中心スタッフが異動したため、新たな布陣で制作されました。グラフィック面では八島タカヒロ氏と基井あゆむ氏がキャラクターデザインと原画を担当し、シナリオは御剣ヒロ氏に加え、外部ライターの阿羅本景氏と木緒なち氏が手掛けています。

ゲームプレイにおいては、ストーリーが複数の章に分かれて進行します。各シーンの間にはキャラクターイラストを用いたアイキャッチが挿入され、章の終わりにはデフォルメされたキャラクターによるコミカルな次回予告が流れるなど、随所にユニークな演出が施されています。また、プレイ中に表示されるアイコンをクリックすると、デフォルメキャラクターの掛け合いで用語解説が行われる便利なシステムも搭載されています。

初回限定版には特典として「おみくじカード」が付属し、カードに記載されたシリアルコードを専用サイトで入力することで、各ヒロインのアフターショートストーリーやシステムボイス、描き下ろし壁紙といった追加コンテンツを入手できました。

スピンオフシリーズ

本作の世界観を引き継いだスピンオフシリーズも展開されており、MoeNovelとの共同制作によって海外先行で配信された後、国内でも発売されています。主な作品として、『LoveKami -Divinity Stage-』（国内版タイトル『LoveKami -Sweet Stars-』）、『LoveKami -Useless Goddess-』（国内版タイトル『LoveKami -Trouble Goddess-』）、そして『LoveKami -Pureness Harem-』があります。これらのスピンオフは、神様が人間界に降臨してから時が経ち、人間と神様の関係性がより近くなった時代を舞台に、それぞれ異なる登場人物や舞台で新たな物語が描かれています。

• - LoveKami -Sweet Stars-: 神様降臨から1年後、サブカルチャーの聖地・アキバを舞台に、カミサマアイドル文化の頂点に立つ「L☆SEVEN」と、アイドルを目指す神様たちの姿が描かれます。
• - LoveKami -Trouble Goddess-: 神様降臨から数年後、人間に害をなす「アラガミ」と呼ばれる荒ぶる神様が登場。主人公が、行き倒れのアラガミである少女を助け、更生させようと奮闘する物語です。
• - LoveKami -Pureness Harem-: 神様降臨から6年後、「タタリガミに守られた土地」とされる守森市が舞台。神社の跡取りである主人公が、複数の個性的な神様たちから求婚されるというユニークな展開が描かれます。

ストーリー

物語は、主人公の北里颯太が、大晦日の夜に「神様」と出会うことから始まります。年が明けた元旦、日本各地に神様が一斉に降臨し、社会に大きな混乱をもたらします。最高神アマテラスの指示により、急遽「カミサマ教育法」が制定され、神様が人間と共に教育を受けることになります。颯太が通う神早坂（みわさか）学園がカミサマ教育モデル校に指定されたことで、新年度から編入してきた神様たちと共に、颯太の賑やかな学園生活が幕を開けます。

登場人物

本作には、人間と様々な神様が登場します。降臨した神様は人間と同様の姓名を名乗っており、本名とは別に人間界での名前を持つキャラクターもいます。

主人公である北里颯太は、正義感が強く世話焼きな学園生。神様降臨にも動じず、アマテラスによって人間と神様の橋渡し役を担うことになります。

主要なヒロインは以下の通りです。

• - 月詠ウサギ（ツクヨミノミコト）: 三貴子の1柱である月の神様。気分が月の満ち欠けに左右され、小悪魔的な性格で主人公をからかいます。主人公の家にホームステイすることになります。
• - 佐久沙いつき: 主人公の幼馴染で、神社の娘。古くから神様を見ることができましたが、その経験から神様を苦手としており、降臨してきた神様にも強気な態度をとります。主人公にとっては頼れる姉のような存在です。
• - 豊草イナリ（イナリノカミ）: 豊穣の神であるお稲荷様の見習い。経験豊富な「お姉さん」ぶっていますが、恋愛には奥手で妄想しがちです。学園の園芸部でオツカイサマの狐たちと共に活動します。
• - 富士宮サクヤ（コノハナノサクヤヒメ）: 桜の神様。プライドが高く素直になれないツンデレですが、大好きな双子の姉・イワナと共に学園に通います。美人で人気ですが、姉に近づく男性には容赦ありません。

他にも、アマテラス（高天原テル）が校長として赴任したり、スサノオ（武塔スセリ）が自由奔放に振る舞ったりと、個性豊かな神様や人間たちが物語を彩ります。スピンオフシリーズにも、それぞれ独自の主人公とヒロインが登場し、新たな人間関係やドラマが描かれています。

世界観・用語

本作の世界観を特徴づけるいくつかの用語が存在します。

• - 神早坂（みわさか）: 主な舞台となる、都内の文教地区。樹齢2000年を超える神木「サイノキサマ」が街の象徴です。
• - カミサマ基本法: 「八百万神特別措置法」の通称。神様と人間が社会で共存するための基本的なルールを定めた法律です。神様の能力利用制限などが盛り込まれています。
• - カミサマ教育法: 「伝統的超越存在への教育に関する基本法」の通称。アマテラスの指示で制定され、神様が人間の学園で現代社会を学ぶことを目的としています。神早坂学園がモデル校となり、人間と神様が共に学ぶ「人神一体教育」が始まりました。
• - オツカイサマ: 神様に仕える存在で、主人の命令を受けて働きます。格の高い神様は動物型のオツカイサマを従えています。
• - 幸魂（さきみたま）: 人間の良き魂、心、明るく正しい想いを指します。幸魂を持つ人間は他の幸魂を惹きつけ、その信仰は神にとって力となります。
• - 荒霊（あらみたま）／和霊（にぎみたま）: 神様の魂には、人間に害を及ぼす側面（荒霊）と、加護する側面（和霊）があります。和霊はさらに幸運をもたらす幸霊と、奇跡をもたらす奇霊に分けられます。人間は祭りなどを通じて荒霊を和霊に変えようとしてきました。

その他

本作およびスピンオフシリーズでは、テーマ曲や挿入歌、エンディングテーマなどが物語を盛り上げています。また、関連商品としてノベルが刊行されており、ゲーム本編やスピンオフの物語を楽しむことができます。

もう一度検索