恒村則之

恒村 則之

恒村 則之（つねむら のりゆき）は、1941年9月12日に日本の熊本県に生まれた、影響力のある造園コンサルティングエンジニアです。

経歴

恒村氏は、長年にわたり日本の技術コンサルタント業界、特に造園および都市環境分野で重要な役割を担ってきました。彼のキャリアは1969年4月に日本技術開発株式会社に入社したことから始まります。同社は後に株式会社エイト日本技術開発へと発展し、現在も日本の社会基盤整備において中心的な役割を果たしています。

入社以来、恒村氏はその専門性とリーダーシップを発揮し、社内で要職を歴任しました。1991年9月には取締役環境企画部長に就任し、企業の環境関連戦略の策定と推進を主導しました。この時期は、環境問題への社会的な関心が高まり、企業活動における環境配慮の重要性が増していた時代であり、彼の役割は極めて重要でした。

その後も、恒村氏は経営の中枢で活躍を続けました。1999年9月には常務取締役東北支社長として、広範な地域における事業展開を統括しました。続く2001年7月には常務取締役営業本部長と都市・環境マネジメント本部長を兼務し、企業の営業活動と都市環境関連プロジェクトの推進を統括しました。同年9月には取締役常務執行役員としてこれらの職務を引き続き担い、組織内での影響力を一層強めました。

2002年7月には取締役常務執行役員事業本部長に就任し、企業全体の主要事業を統括する立場となりました。これらの役職を通じて、彼は企業の成長と多岐にわたるプロジェクトの成功に貢献しました。2003年9月には第一線から退き、顧問として会社に知見を提供しました。さらに、2004年9月からは2011年まで常勤監査役を務め、企業の健全な経営とコンプライアンス体制の維持に貢献しました。

業績と貢献

恒村氏の造園および公園緑地分野への貢献は高く評価されています。2010年には、日本の公園緑地分野で顕著な功績を挙げた個人に贈られる第32回日本公園緑地協会北村賞を受賞しました。これは、長年の専門的な活動と業界への貢献が公的に認められた証です。

また、研究活動や情報発信にも熱心であり、共著として『環境都市計画事典』（朝倉書店）を上梓しています。この事典は、環境と都市計画という現代社会の重要な課題を結びつけるものであり、専門家や研究者にとって貴重な資料となっています。さらに、日本造園学会の学術誌『造園雑誌』に寄稿した論文「総合建設コンサルタントにおける造園の課題」では、コンサルティングエンジニアの視点から、造園分野が直面する課題とその展望について論じており、専門分野における彼の深い洞察を示しています。

恒村則之氏のキャリアは、高度経済成長期から成熟社会へと移行する日本において、造園や都市環境整備がいかに重要であるかを体現しています。彼は企業の要職を通じて多くのプロジェクトに関わり、その専門知識と経営手腕によって、日本の社会基盤と環境の質の向上に貢献しました。北村賞の受賞や専門書への寄稿は、彼の長年にわたる努力と業界への影響力を明確に示しています。

参考文献

『ジュリスト総合特集27 都市の魅力 創造と再発見』有斐閣、1982年
『会社四季報』第269号、東洋経済新報社、1993年
* 『日経会社情報』第82号、日本経済新聞社、1996年

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