有斐閣

株式会社有斐閣の概要

株式会社有斐閣（Yuhikaku Publishing Co., Ltd.）は、日本の人文社会系の学術出版の分野で卓越した地位を持つ出版社です。1877年に創業され、初めは古書店として運営されていました。創業者の江草斧太郎は、神田一ツ橋通町で「有史閣」という名で店を始め、1879年に出版社としての新たな一歩を踏み出し、現在の「有斐閣」という名称に変更しました。この出版社は1950年に法人化され、現在まで社会科学や人文科学の教科書を中心に多くの著作を世に送り出しています。

本社と支店

現在、株式会社有斐閣の本社は東京都千代田区神田神保町に位置しており、店頭では書籍の小売も行なっています。また、京都府京都市には京都支店も展開しています。

出版物の特徴

有斐閣の出版物は、法学や経済学を中心とした大学向け教科書が多く、具体的には年度版の六法全書や、一般教養書といった人文社会系の書籍が含まれています。特に法令集は信頼される出版物として評価されており、1901年に刊行された『帝國六法全書』や、1948年から再開した『六法全書』が代表的な例です。また、さまざまな人文科学分野においても、経済学や社会学、心理学などの教科書を手掛けています。

マスコットキャラクター

有斐閣は、クリエイティブなマーケティング活動の一環として、マスコットキャラクター「ろけっとぽっぽー」を持っています。このキャラクターは、出版物の販促活動やSNSでの新刊アピールに親しまれています。また、社章を元にした「シッシー」と「ワッシー」といったキャラクターも存在し、書籍に登場することで人気を博しています。

出版物の種類

有斐閣の出版する書籍には、法令集、法律学全集、注釈民法、及び各種雑誌が含まれています。1957年にスタートした『法律学全集』は、全60巻から成り、その一部は現在でも改訂が行われています。また、法学以外の人文系の書籍も幅広く取り扱っており、学生向けのシリーズや一般向けの文学作品など、多岐に渡る出版活動を展開しています。

著作権に関する騒動

過去には、『著作権判例百選 第5版』に関連した著作権侵害の訴訟がありました。この事件では、前版の編者が無断で改訂版から自身の名前を外されたことが問題視され、裁判にまで発展しました。最終的には知的財産高等裁判所が有斐閣の主張を認め、出版が続行される結果となりました。

まとめ

企業としての有斐閣は、長い歴史を持ちながらも、常に新しい出版物やキャラクターを通じて学術界に貢献している出版社です。人文社会系の専門知識を広めるために、今後もさまざまな取り組みを続けていくことでしょう。

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