悪魔の毒々モンスター 東京へ行く

『悪魔の毒々モンスター 東京へ行く』

『悪魔の毒々モンスター 東京へ行く』は、1989年にアメリカで公開されたホラーアクション映画の続編で、トロマエンターテイメントによるシリーズの第2弾です。この映画では、主人公である毒々モンスター、通称トキシーが舞台を東京に移し、新たな冒険と戦いに挑む姿が描かれています。

あらすじ

物語は、平和な町トロマヴィルを核廃棄物の貯蔵地にしようと目論むアポカリプス社から始まります。この企業は、トロマヴィルの平和を守る要である毒々モンスターを排除するために様々な策を練りますが、その試みは失敗に終わります。そこで、アポカリプス社は、日本支社が開発した「アンチトロマトン」という兵器を用いようと画策し、毒々モンスターの父親が東京にいるという情報を流して彼を日本へ向かわせることにします。これが、毒々モンスターが日本での新たな冒険に飛び込むきっかけとなります。

キャスト

本作には、トキシー役でロナルド・ファジオをはじめ、桂木麻也子や安岡力也などの日本人キャストが出演しています。関根勤がアナウンサー役として登場し、彼自身も前作のファンであったことから特別にオファーがあったと言われています。その他にも、忍竜や大富士、永井豪など多彩なキャストが映画を彩ります。

制作の舞台裏

1988年6月、新宿の銭湯「世界湯」にて制作に関する記者会見が行われた際、カウフマンが赤いフンドシ姿で出現し、報道陣を驚かせました。この日の同時間帯には、帝国ホテルでジョージ・ルーカス原案の『ウィロー』の製作発表も行われていたため、カウフマンはこの出来事に言及しました。

キャスティングに関しては、前作のファンであった関根勤がアナウンサー役に選ばれた経緯も興味深いです。さらに、日本のキャストは英会話のシーンに挑んだものの、最終的には別の声優による吹き替えが用いられました。

撮影について

ラジオ局のブースシーンは、関根勤の協力とファンタスティック映画祭との繋がりによってニッポン放送で撮影されています。また、歌舞伎座前での撮影は、日本におけるシリーズの配給権を持つ松竹が歌舞伎座の経営を行っている関係で実現しました。このコラボレーションは、後の『カブキマン』（1991年）へと繋がっていくことになります。

劇中に登場する銭湯シーンに関しては、日本側からの要請により公開時にボカシ加工が施されましたが、撮影自体は非常にユニークな方法で行われました。低予算映画らしい片押し撮影が随所に取り入れられ、カメラが移動するたびに天候が変わるシーンもあるなど、作品全体に独特なスタイルが根付いています。特に、佃島でのツインブラザースのシーンでは、二日間にまたがる撮影が行われたため、晴れと雨のカットが混在するという珍事が発生しましたが、これに対してカウフマンは「この映画はこれで良いのだ！」と強気な姿勢を見せたと言われています。

このように、制作当時から多くのチャレンジと独自性が詰まった『悪魔の毒々モンスター 東京へ行く』は、観客に強烈な印象を残す一作となっています。

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