悲しみだけが夢をみる

テレビドラマ「悲しみだけが夢をみる」

「悲しみだけが夢をみる」は、1988年6月から7月にかけてNHKの銀河テレビ小説枠で放送された全20回のテレビドラマです。平日22:20から22:40に放送され、兵庫県宝塚市が舞台となっています。本作はほぼ全編がロケーション撮影で、宝塚の美しい風景が画面に映し出される中、複雑な人間関係が展開されます。

ストーリー概要

物語の中心は、伸子と知美という二人の幼なじみの女性です。二人は共に宝塚音楽学校を受験しますが、伸子だけが合格し、知美は失意に陥ります。知美の母、輝子は元宝塚のスターで、現在は老舗旅館のおかみをしています。知美は、自分の夢が壊れたことから家出し、東京でストリッパーとして働くことを選びます。

知美の心の中では、自由を求める一方で、彼女の過去と向き合うことが出来ずに苦しんでいました。しかし、知美が東京で出会った立板の桜木由克が彼女を宝塚へと連れ戻します。由克は二人の関係を深めていく一方で、彼が実は脱獄犯であることが後にわかります。

魅力的な登場人物

知美にはもう一人の重要な人物、池上弘がいます。池上は東京で知美に一目惚れし、彼女を追って宝塚にやってきます。知美は次第に由克に惹かれていくが、彼の過去が二人の未来に影を落とすことになります。加えて、伸子の兄、哲夫は知美と由克の複雑な人間関係に巻き込まれることになります。

この作品では、少しずつ明らかになる人々の過去や思い、夢を追い続けることの意味が描かれます。登場人物たちの葛藤や心の交流は視聴者に深い感動をもたらしました。

キャスト

本ドラマには多くの有名キャストが登場します。知美役には富田靖子、伸子役には有森也実が配されました。また、知美の母輝子役には淡島千景、池上弘役には髙嶋政宏、桜木由克役には柴俊夫が演じています。特に、若き日の國村隼が端役で出演していたことも注目を集めました。

制作と音楽

脚本は市川森一、音楽は田村洋によって手掛けられ、ダンス振付は朱里みさをが担当しました。また、主題歌「夢の町へ」は富田靖子が歌い、印象的なメロディが作品のテーマを象徴しています。

オープニングでは空撮された宝塚市の景色が流れ、その美しさが視聴者の心を掴んでいます。全体を通じて、映像美とともに、登場人物の感情が作品全体を貫くテーマとなっています。

「悲しみだけが夢をみる」は、夢を求めて葛藤する人々の物語を、深い情感とともに描いた名作として多くの視聴者に記憶されています。

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