朱里みさを

朱里みさをの生涯と業績

朱里みさを（しゅり みさお）は、1924年12月15日に島根県簸川郡乙立村（現在の出雲市佐田町東村）に生まれました。彼女は、日本の舞踊界に多大な影響を与えたジャズダンスの舞踊家であり振付家として知られています。本名は田辺藤枝であり、彼女は後に著名な振付家である朱里エイコの母でもあります。

幼少期と家庭背景

朱里は代々神官の家に生まれ、幼少期から巫女舞いを習っていました。しかし、7歳のときに父が急死し、家庭は一変。負債を抱えた父の影響で、朱里は債権者の家に人質として預けられ、一日中、家畜の世話や草履作りを強いられる過酷な生活を送ります。その後、叔母のもとで子守奉公をしながら、夜間女学校で学び、東洋レーヨンの今市工場で女工として働く生活が続きました。

上京と舞踊の道

16歳の時、上京した朱里は、叔父の家の近くにあったバレエのレッスン場で女中として働くことになります。ここで初めてバレエに触れ、住み込みでレッスンを受ける中で、その才能を磨きましたが、戦争の影響もあり、師との関係に亀裂が入ります。戦後、彼女は浅草の「オペラ館」に飛び込み、そこで多くの観客を魅了し、次第にパフォーマンス界での名声が高まっていきました。

私生活と家庭

朱里は、舞踏団の活動の中で秋山信一と結婚し、「朱里みさを舞踏団」を結成します。巡業中の北海道札幌市で、彼女は娘の朱里エイコを出産することになります。しかし、結婚生活は続かず、秋山の暴力から逃れる形で離婚。後に宮城まり子の弟である宮城秀雄と再婚しましたが、彼も交通事故で亡くなる不運に見舞われます。

渡米と国際的成功

1957年、朱里はアメリカのプロデューサー・トーマス・ポールに才能を見出され、14人の舞踏団を率いて渡米します。そこでの彼女の活動は大成功を収め、「ミサヲ・シュリ」として全米にその名を轟かせました。特に、『エド・サリヴァン・ショー』への出演は彼女の名声を一層高める転機となりました。このようにして、彼女は日本人舞踊家として初めて国際的な舞台で高い評価を得ることとなったのです。

結論

朱里みさをは、波乱に満ちた生涯を送りながらも、舞踊の世界で多大な影響力を持ったアーティストとして、その名を広めました。彼女の情熱と努力は、後の世代に多くの舞踊家に影響を与え続けています。彼女の功績は、現在もなお多くの人々に感動を与えています。

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