悲しみモニュメント

南野陽子「悲しみモニュメント」：青春のメモリーを刻む一曲

1986年3月21日、南野陽子の3枚目のシングル「悲しみモニュメント」がCBS・ソニーよりリリースされました。この曲は、南野陽子主演のドラマ『スケバン刑事II 少女鉄仮面伝説』の主題歌として書き下ろされ、瞬く間に人気を博します。

当時、若手アイドルとして注目を集めていた南野陽子ですが、この曲は彼女を新たなステージへと押し上げる重要な役割を果たしました。

リリース直後から各音楽番組でランクインを果たし、特に『ザ・ベストテン』と『歌のトップテン』への初登場は、彼女の知名度を飛躍的に向上させました。それまで出演機会のなかった『夜のヒットスタジオDELUXE』にも出演を果たすなど、この曲が南野陽子のキャリアに大きな影響を与えたことは間違いありません。

ジャケット写真は1985年12月30日、石垣島で撮影されました。南国情緒あふれるロケーションと、当時10代の南野陽子の瑞々しい魅力が融合し、多くのファンを魅了しました。

カップリング曲「春景色」：等身大の南野陽子を映し出す

カップリング曲として収録された「春景色」は、「悲しみモニュメント」とは対照的な、卒業と旅立ちをテーマにした楽曲です。

南野陽子が堀越高等学校を卒業した時期と重なるこの曲は、歌詞に神戸の地名や喫茶店名が織り込まれ、彼女の故郷である神戸を舞台に、ヒロインが留年した恋人を想う切ない物語が描かれています。

当時、南野陽子はドラマ『スケバン刑事II』のイメージが強く、そのイメージを全面に押し出した楽曲が求められていた時期でしたが、「春景色」はそんなイメージとは異なる、等身大の南野陽子の感性と心情を表現した作品です。

南野陽子自身もこの曲を気に入っており、翌月に発売されたファーストアルバム『ジェラート』ではオープニングを飾っています。また、ニッポン放送のラジオ番組『南野陽子 ナンノこれしきっ!』のオープニングテーマとして長く使用され、コンサートでも度々歌われるなど、ファンにとって特別な一曲となっています。数多くのベスト盤やオムニバスCDにも収録されており、現在でも聴き継がれている名曲と言えるでしょう。

音楽性とスタッフ

「悲しみモニュメント」は、作詞を来生えつこ、作曲を鈴木キサブロー、編曲を新川博が担当。ドラマ主題歌らしいドラマチックなメロディーと、来生えつこによる切ない歌詞が、聴く者の心に深く響きます。一方、「春景色」は、作詞をイノ・ブランシュ、作曲を岸正之、編曲を萩田光雄が担当。卒業の季節にふさわしい、爽やかさと切なさが同居するメロディーが特徴です。

両曲ともに、それぞれの作家陣の個性が活かされた、完成度の高い楽曲となっています。

まとめ

「悲しみモニュメント」は、南野陽子の代表曲の一つであり、彼女のアイドルとしての地位を確固たるものにした重要な作品です。そしてカップリング曲「春景色」は、ドラマのイメージとは異なる彼女の等身大の姿を見せてくれる、ファンにとって大切な一曲です。このシングルは、1980年代後半のアイドルシーンを代表する作品として、これからも多くの人々に愛され続けることでしょう。

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