悲田院町

悲田院町（ひでんいんちょう）は、大阪府大阪市天王寺区に位置する町名です。住居表示上の丁目はなく、単独の町として存在します。

地理的特徴

悲田院町は、天王寺区の南部に広がっており、東側で南河堀町、南西側で茶臼山町、北側および西側で堀越町、北東側で北河堀町とそれぞれ境を接しています。さらに南側は、区境を越えて阿倍野区の阿倍野筋に隣接しています。

町域は主要道路である玉造筋によって南北に分けられています。特に南側の区域には、西日本旅客鉄道（JR）の主要ターミナルである天王寺駅が位置しています。

この玉造筋沿いは、駅前ならではの活気にあふれ、多くの飲食店などが軒を連ねる商業エリアとして賑わいを見せています。一方、玉造筋より北側の区域に入ると、その様相は一変し、落ち着いた雰囲気の個人住宅や集合住宅（マンションなど）が多く立ち並ぶ居住エリアとなっています。このように、一つの町の中で異なる景観が広がっているのが特徴です。

歴史と町名の由来

町名の「悲田院」は、仏教における慈悲の精神に基づき、生活に困窮する人々や身寄りのない孤児などを救済・保護するために設置された施設の名に由来しています。

その歴史は非常に古く、今からおよそ1400年以上前の飛鳥時代にまで遡ります。聖徳太子が当時の隋（中国）の福祉制度などを参考に、現在の天王寺区に建立した四天王寺に、四つの福祉施設からなる「四箇院（しかいん）」を設けた際、その中の一つとしてこの「悲田院」が建てられたことに起源を発します。四箇院とは、悲田院のほか、教育施設の敬田院（きょうでんいん）、薬草を施す施薬院（せやくいん）、病人を治療する療病院（りょうびょういん）を合わせた総称です。

交通アクセス

町域内には、JR西日本の天王寺駅があり、大阪環状線、阪和線、関西本線（大和路線）の各路線が乗り入れています。天王寺駅は大阪府南部の主要ターミナル駅の一つとして機能しており、町内の交通利便性を高めています。

なお、大阪市高速電気軌道（Osaka Metro）や阪堺電気軌道の天王寺駅、近畿日本鉄道の大阪阿部野橋駅は、当町の南に隣接する阿倍野区内に位置しており、悲田院町の町域外となります。

主要道路としては、町域を南北に貫く玉造筋があります。

主な施設

町内には以下の施設があります。

荒陵山施行院
天王寺ミオ（商業施設）
* 日本年金機構 天王寺年金事務所

その他

郵便関連情報として、町内の郵便番号は〒543-0055です。集配業務は天王寺郵便局が担っています。

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