情報セキュリティアドミニストレータ試験

情報セキュリティアドミニストレータ試験について

情報セキュリティアドミニストレータ試験（略称: 情報セキュアド、略号: SU）は、日本における情報処理技術者試験の一環として設けられた資格試験です。この試験は、主にIT関連の職に従事する方々が情報システムのセキュリティに関する知識と技能を評価されることを目的としています。特に近年の情報セキュリティへの関心の高まりを受けて、2001年から毎年実施されていましたが、2008年に廃止されました。

試験の概要

情報セキュリティアドミニストレータ試験は、主にソフトウェア開発技術者試験（ITSS-LV3）の上位に位置付けられ、システム管理や開発の側面に重きを置いています。この試験を受験するためには、情報システムのセキュリティに関する広い知識が必要で、その範囲は基本情報技術者試験（ITSS-LV2）を上回ります。具体的には、他の高度な試験であるシステム監査技術者試験（ITSS-LV5）とも関連し、自らの専門分野に留まらず、広範な理解が求められました。

難易度と受験者層

受験者の合格率は約13%で、志願者に至っては約8%と低く、非常に高い難易度を誇りました。受験者層は基本情報技術者や初級システムアドミニストレータ、さらには他の高度試験の合格者に至るまで多岐にわたりました。これにより、情報セキュリティに関する深い知識と技術的な能力が問われる試験となり、合格者は高度情報処理技術者としての資格を持つ者として認められました。

試験の実施と内容

試験は午前の部と午後の部に分かれており、午前は100分で55問の四肢択一式問題が出題されます。午後の部では、記述式の問題が出題されるため、選択肢から自らが答える問に対する理解力や応用力が要求されます。特に、最新のセキュリティリスクや対策に関する知識、さらには企業のセキュリティポリシー策定能力が必要とされてきました。

試験の沿革と廃止

この試験は2001年の秋期から年一回実施され、2005年には午前試験の時間が延長され、2006年には略称が変更されました。しかし、2008年の秋期を最後に試験は廃止され、その後はテクニカルエンジニア(情報セキュリティ)試験などが後継試験として設けられました。

合格後の特典

合格者には、いくつかの特典が与えられました。具体的には、弁理士試験の科目免除や技術陸曹・海曹・空曹及び予備自衛官補としての任用資格が与えられました。また、地方警察のハイテク犯罪捜査官としての資格も手に入れられるなど、合格者には幅広い職業選択の道が開かれました。

情報セキュリティマネジメント試験との違い

現在、情報セキュリティマネジメント試験（通称: セキュマネ）が実施されていますが、これは情報セキュリティアドミニストレータ試験の後継資格として考えられることもあります。しかし、実際の試験形式や出題範囲は異なり、合格難易度も情報セキュアドの方が高かったため、双方の試験の位置付けには明確な違いがあります。

このように、情報セキュリティアドミニストレータ試験は、多くの受験者にとって目指すべき国家試験として位置づけられ、情報セキュリティに関する知識を確実に身につけるための重要な場でありました。

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