テクニカルエンジニア(情報セキュリティ)試験

テクニカルエンジニア（情報セキュリティ）試験の概要

テクニカルエンジニア（情報セキュリティ）試験は、情報処理技術者試験の一部として位置づけられ、特に情報セキュリティの専門知識を求める試験です。この試験は2006年の春期から始まり、毎年一回実施されました。情報セキュリティに関する国家試験は、2001年秋期にスタートした情報セキュリティアドミニストレータ試験に端を発しますが、テクニカルエンジニア（情報セキュリティ）試験は、より高度な専門性を求めるものでした。

試験の特徴

テクニカルエンジニア試験における出題範囲は、主にセキュリティやネットワーク技術に関し、高度な知識が必要でした。問題形式は、プログラミングにおいてはC++、Java、Perlなどが使用され、受験者はこれらの言語に対する深い理解が求められました。他の試験と異なり、受験者は選択肢を持たず、すべての言語に対応できることが必須とされていました。

2008年春期にて廃止され、その後は情報セキュリティアドミニストレータ試験と統合され、情報セキュリティスペシャリスト試験が導入されることとなりました。

試験の形式

テクニカルエンジニア（情報セキュリティ）試験は、午前、午後I、午後IIの3部構成でした。午前試験は100分の試験時間が設けられ、55問の四肢択一式問題が出題されます。受験者は全問解答する必要があり、得られた点数は、最低200点から最高800点の範囲で評価されます。合格するためには600点以上の取得が必要です。

午前試験の主な分野には「セキュリティと標準化」「ネットワーク」の2つがあり、ここで高いレベルの知識が求められました。また、他のレベル2の範囲として「コンピュータシステム」、「システムの開発と運用」、「データベース」といった分野もカバーされました。特筆すべきは、06年・07年はデータベースに関する問題が特に多く出題されたことです。

午後Iは90分間の試験で、4つの大問が出題され、その中から3問を選んで回答します。この部分でも、600点以上の得点が必要ですが、午前試験でのスコアが基準に達していない場合は採点も行われません。午後IIでは120分で2問出題され、1問を選んで解答します。

試験の受験状況と成果

テクニカルエンジニア（情報セキュリティ）試験は多くの受験者を集め、大きな関心を集めていました。IT人材育成センターの統計によると、これまでの累計受験者数は46,442人、合格者数は4,904人で、合格率はわずか10.6%という非常に競争が激しいものでした。

また、この試験は特定の資格や免除と関連しており、弁理士試験への科目免除、技術陸曹や海曹、そして空曹の任用資格や警視庁特別捜査官としての任用資格など、多岐にわたる職業に関連づけられることも特徴的でした。

結論

以上のように、テクニカルエンジニア（情報セキュリティ）試験は、情報セキュリティ分野における専門知識を測るための重要な試験であり、多くのIT専門家にとって貴重な資格取得のチャンスを提供しました。廃止された後も、その後の資格制度に影響を与え続けており、多くのエンジニアたちにとって、セキュリティに関する知識の重要性は変わらないと言えるでしょう。

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