惑星大戦争

映画『惑星大戦争』

『惑星大戦争』（わくせいだいせんそう）は、1977年12月17日に公開された特撮SF映画で、東宝が制作を手掛けました。本作品はカラーとシネマスコープ方式で製作され、同時上映された『霧の旗』と共に多くの観客を集めました。

概要と背景

1988年、太陽系外からの侵略を受けた地球の防衛を描いた本作では、宇宙防衛艦「轟天」が金星を前線基地に異星人の攻撃を阻止します。「轟天」は、映画『海底軍艦』に登場するメカの宇宙版リメイクであり、原作者の神宮寺八郎が登場人物名を踏襲している点も見逃せません。

1977年は、アメリカで『未知との遭遇』や『スター・ウォーズ』、日本では『宇宙戦艦ヤマト』が公開され、SFブームが巻き起こりました。そのため、本作のタイトル『惑星大戦争』は、当初『スター・ウォーズ』の邦題として考えられていましたが、ジョージ・ルーカスの意向によって変更された経緯があります。

監督には福田純、特技監督には中野昭慶が起用され、興行的な期待が寄せられましたが、国内での反応は必ずしも良好ではなく、特に海外では評価されています。実際、映画界の著名人から賛同の声が寄せられ、たとえば矢作俊彦は日本アカデミー賞へのノミネートを提言しました。

ストーリー

物語は1980年代に始まります。世界中で発生したUFO騒ぎから、国連宇宙局の松沢所長は調査を命じ、滝川正人博士による宇宙防衛艦の建造が進められました。しかし、騒ぎが収束すると建造は中止され、滝川も宇宙防衛軍を退任します。

そして1988年、再度のUFO騒動と通信障害が発生したため、松沢は滝川を説得し、艦の建造を再開させようとします。滝川は最初は消極的でしたが、暗殺未遂事件を経て再び仲間と共に立ち上がります。彼らは轟天を急いで完成させ、地球を襲うヘル・ファイターと激しい戦闘を展開します。

物語の途中、滝川の娘ジュンが敵に捕らえられ、三好が彼女を救出するために大魔艦に潜入します。激闘の末、轟天が大魔艦に特攻し、壮絶な戦いが繰り広げられます。最終的には滝川がエーテル爆弾を搭載した艦首ドリルで勝利を収めます。

登場キャラクターとメカニック

主要キャラクター

• - 恒星ヨミの第三惑星人：異星人の司令官ヘルは、地球を征服しようとします。彼は見た目が地球人に似ていますが、体色は異なり、創造された生物として描かれています。
• - 宇宙防衛艦「轟天」：地球側の重要なメカで、特に印象的な存在です。

登場メカニック

• - 轟天：宇宙戦艦として地球防衛のために建造された艦。
• - ヘル・ファイター：敵軍が使用する小型戦闘円盤で、地球に襲いかかる恐ろしい武器です。

制作背景

本作は、短期間で制作されたため、特撮の技術を駆使して多くのシーンが撮影されました。この迅速なプロセスは、過去の作品からの流用やスタイル展開に影響を与えており、監督も反省の意を示しています。制作にあたっては、特技監督の中野昭慶が特別効果を担当し、高度な技術が施されています。

文化への影響

『惑星大戦争』は、特撮映画の一環として日本国内外で評価され、様々なメディアでも取り上げられています。また、キャラクターやメカデザインは後の特撮作品にも多大な影響を与え続けています。特に、作品で用いられた音楽の一部は、後のアニメーション映画にも取り入れられるなど、文化的な影響力が広がっています。

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