想いのかけら

想いのかけら

『想いのかけら』は、NHKが東日本大震災復興応援キャンペーンの一環として制作した短編オリジナルテレビアニメです。福島ガイナックスが制作を担当し、2分版、5分版、25分版の3種類が存在します。

概要

この作品は、NHK仙台放送局を中心としたNHK東北6局が手がける「大好き♡東北」プロジェクトの一環として企画されました。福島県出身の浅尾芳宣が監督を務め、アニメ制作には地元の若者を雇用するなど、地域に根ざした制作体制がとられました。また、声優にも東北出身者を多く起用しています。

あらすじ

物語の舞台は、東日本大震災から数年後の東北地方の漁師町。主人公の佐藤陽菜は、震災で母親を亡くし、父親と仮設住宅で暮らす中学1年生です。幼い頃から続けているフィギュアスケートに夢を抱きながらも、震災の記憶と向き合い、成長していく姿が描かれています。

ある日、陽菜は小学校時代の親友、木村みちるからのSNS通知を受け取り、小学校の建て替え工事で見つかったタイムカプセルを一緒に見に行くことになります。タイムカプセルには、陽菜が幼い頃に母親からもらった緑のリボンが入っていましたが、震災の影響で手紙は判読できませんでした。リボンの意味を思い出そうとする陽菜は、みちると小学校跡地を訪れます。そこでみちるから引っ越しの話を聞き、ショックを受けます。さらに、フィギュアスケートの練習中に怪我をしてしまい、大会への出場を断念せざるを得なくなります。

失意の中、陽菜はボランティアの写真修復プロジェクト「想いのかけら」からの手紙を受け取ります。中には、亡き母親との思い出の写真が収められていました。その写真を見た陽菜は、母親との絆や、リボンに込められた想いを思い出し、再び前を向いて歩き出します。

登場人物

佐藤 陽菜（さとう ひな）
主人公。震災で母親を亡くし、父親と仮設住宅で暮らす中学1年生。フィギュアスケートに打ち込んでいる。
陽菜の父
陽菜の父親。漁師として働きながら、陽菜を支えている。震災からの復興に尽力する一方で、複雑な思いも抱えている。
陽菜の母
陽菜の母親。震災で亡くなった。陽菜の心の中で、いつも支えとなっている。
木村みちる
陽菜の小学校時代の親友。父親の仕事の都合で引っ越すことになる。
コーチ
陽菜が通うフィギュアスケート教室の先生。

スタッフ

総監督・脚本（2分版）: 浅尾芳宣
監督・脚本・絵コンテ・演出（25分版）: 佐伯昭志
キャラクターデザイン・作画監督: 梅下麻奈未
音楽: 岡崎体育
アニメーション制作: 福島ガイナックス

主題歌

『想いのかけら』
作詞・作曲: 伊橋成哉
編曲: KAY
歌: 佐々木李子

放送

2分版: 2015年11月27日、NHK総合、NHK BS1
5分版: 2016年3月22日、NHK BS1
25分版
2016年3月24日、NHK総合（東北地方6県先行放送）
* 2016年4月18日、NHK総合（全国放送）

『想いのかけら』は、震災からの復興をテーマに、家族や友人との絆、故郷への想いを描いた感動的なアニメーション作品です。美しい映像と音楽が、見る人の心に深く響きます。

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