意匠の国際登録に関するハーグ協定

ハーグ協定：意匠の国際登録に関する条約

概要

意匠の国際登録に関するハーグ協定（通称：ハーグ協定）は、1925年に設立され、世界知的所有権機関（WIPO）によって管理されています。この協定は、国際的な意匠登録を簡素化するための重要な枠組みです。以前は「意匠の国際登録に関するヘーグ協定」とも称されており、「ヘーグ」はその英語表記から由来しています。

ハーグ協定には、1934年のロンドン改正協定、1960年のヘーグ改正協定、1999年のジュネーブ改正協定という3つの重要な改正が含まれ、各改正協定に基づく3つの異なる制度が存在します。

• - ロンドン改正協定では、WIPOに寄託された意匠は締約国で保護を受けることができます。これは、意匠が国際的に認められるための第一歩です。
• - ヘーグ改正協定では、指定国制度が導入され、各国が国際登録を拒否する権利を持つことが明確にされたため、各国の意匠保護制度における相違が反映されることになりました。
• - ジュネーブ改正協定（2003年発効）では、指定国に対する拒絶通報期間が延長され、EUIPOなども締約国となる道が開かれました。この結果、より多くの国が協定に参加しやすくなっています。

経緯

ハーグ協定は、1925年11月6日にオランダ・デン・ハーグにて、意匠の国際寄託についての協定として設立されました。この協定は1928年に発効しました。その後、1934年のロンドン改正、1960年のヘーグ改正、1975年のジュネーブ議定書など、数度の改正を経ています。このプロセスは、国際的な意匠保護のための法整備が進展することを示しています。

締約国と日本の現状

2014年の時点で、ハーグ協定には62ヶ国といくつかの機関が参加しています。日本は、2014年の第186回国会においてジュネーブ改正協定の加入が承認され、2015年2月に公式な加入書がWIPOに寄託されました。これにより、同年5月から日本でもこの協定の効力が発生しています。承認の際には、国会の手続きでいくつかの遅延がありましたが、最終的には自然承認によって協定が進展しました。

まとめ

ハーグ協定は、国際的な意匠保護への道を開く重要な枠組みであり、それにより多くの国々が貢献し合うことが期待されています。国際的なビジネス環境において、意匠権の保護は不可欠であり、この協定により企業やクリエイターは自らのデザインを国際的に保護しやすくなっています。今後も国際的な協力を通じて、意匠の保護が進められることが望まれます。

もう一度検索