愛しのバービー・ガール

「愛しのバービー・ガール」(Barbie Girl)は、デンマークのポップグループ、アクアの楽曲で、1997年にリリースされました。この曲は、彼らのデビューアルバム『アクエリアム』からの3枚目のシングルとして発表され、世界中で大ヒットを記録しました。

楽曲の特徴

この楽曲は、バービー人形とその恋人ケンをモチーフにした、キャッチーでポップなメロディーが特徴です。歌詞は、バービー人形の世界観を表現しており、子供から大人まで幅広い層に親しまれました。ミュージックビデオでは、メンバーのルネがバービー、レネーがケンに扮し、カラフルでコミカルな映像が楽曲の魅力を引き立てています。

パフォーマンス

アクアは、この楽曲を様々な場所でパフォーマンスしています。ユーロビジョン・ソング・コンテスト2001のインターバル・アクトでは、パーカッション集団サファリ・デュオとともに、本楽曲を含むバンドの代表曲をメドレー形式で演奏し、観客を魅了しました。

世界的な反響

「愛しのバービー・ガール」は、世界各国のチャートで上位にランクインしました。全英シングルチャートではグループ初の首位を獲得し、Billboard Hot 100ではグループにとって初めてのTOP10入りを果たしました。アメリカ合衆国では2003年の時点でCD140万枚を売り上げるなど、商業的にも大きな成功を収めました。

マテル社との訴訟

しかし、この楽曲は、その人気の一方で、バービー人形の製造元であるマテル社との間で訴訟問題を引き起こしました。2000年、マテルは、「自社製品であるバービーを、『脳みその足りない尻軽金髪女』として描写する形で商標権を侵害した」として、当時バンドが所属していたMCAレコードを訴えました。レコード会社側は、楽曲の内容は社会的なメッセージであるとして反論しました。マテルの訴えは下級裁判所により棄却されたものの、合衆国最高裁判所に上訴しましたが、最終的にはこれも棄却されました。この訴訟は、知的財産権や表現の自由をめぐる議論を呼びました。

マテル社による楽曲の使用

興味深いことに、2009年、マテルはバービーの宣伝にて、歌詞の一部を変更したうえで本楽曲を使用しました。これは、かつて訴訟を起こした楽曲を、自社の宣伝に利用するという異例の事態であり、話題となりました。

「愛しのバービー・ガール」は、アクアの代表曲としてだけでなく、1990年代のポップカルチャーを象徴する楽曲の一つとして、今もなお多くの人々に愛されています。訴訟問題を含め、様々な側面から語られることの多いこの楽曲は、ポップミュージックの奥深さを感じさせる作品と言えるでしょう。

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