愛のそよ風

愛のそよ風（Breezy）

1973年に公開された『愛のそよ風』は、クリント・イーストウッドが監督を務めた恋愛ドラマであり、ウィリアム・ホールデンとケイ・レンツが主演を飾っています。本作は、中年の独身男性と若いヒッピーの少女との異色の恋愛を描いています。

あらすじ

物語は、孤児でヒッピーのような生活を送るブリージーが主人公です。ある日、出会った男との一夜を過ごした後、彼女はヒッチハイクで移動中に出会った紳士に誘われそうになります。しかし、彼女はその車から逃げ出し、丘の住宅街の豪邸にたどり着くのです。その家の主であるフランクは、離婚歴がある中年の不動産業者。自由気ままに生活している彼は、ヒッピー少女に対しては最初は冷淡な態度を取りますが、ブリージーは無理に彼の車に乗り込み、街まで送るように頼みます。

しかし、彼らの運命的な出会いは続きます。彼らの車が通りかかると、轢かれた犬がいることに気づくブリージーはその犬が心配で車を止めるようフランクに要求しますが、フランクの冷たい反応に彼女は愛想を尽かして去ります。しかし、時が経つと、フランクのもとに警察が訪れ、深夜にふらついていた姪が保護されてきます。その姪とは他ならぬブリージーだったのです。この奇妙な同居が始まることで、彼らの関係は次第に親密さを増していきます。

作品解説

本作の脚本を手掛けたジョー・ハイムスは、中年の男性と若い女性の愛の物語を描くとしており、当初イーストウッドが主演することを意識して脚本を執筆しました。しかし、イーストウッドは自身がこの役に対して若すぎると感じ、12歳年上のウィリアム・ホールデンに演じさせることを決定します。また、イーストウッドは当初、ブリージー役に自身の監督作品『白い肌の異常な夜』に出演した女優を考えていましたが、最終的には『アメリカン・グラフィティ』で注目を集めていたケイ・レンツを起用しました。撮影中、イーストウッドはレンツに夢中になっていったというエピソードもあります。

ケイ・レンツはこの映画で高く評価され、1974年のゴールデングローブ賞で新人賞候補にも選ばれました。

評価

本作は、レビュー・アグリゲーターのRotten Tomatoesで8件のレビューを受け、支持率は63%、平均スコアは7.30/10という評価を得ています。また、Metacriticでは4件のレビューを基にした加重平均値が68/100となり、観客や批評家から一定の評価を受けています。

『愛のそよ風』は、異なるバックグラウンドを持つ二人の人間の心の交流を描いた作品であり、その独特のストーリー展開とキャラクターの発展が人々の心をつかんでいます。

もう一度検索