愛子 (テレビドラマ)

ドラマ『愛子』について

連続テレビドラマ『愛子』は、1973年10月1日から1974年3月30日までTBS系列のポーラテレビ小説枠で放送された作品です。このドラマは小説家・佐藤愛子の自伝的著書を原作としており、元女優の杉田景子が主演する初のテレビ作品となりました。

物語の背景

物語は、流行作家である佐藤紅緑を父に持つ愛子が、優雅な女学校生活を送る芦屋から始まります。彼女は父の選んだ軍人との結婚を経て、戦争の影響を受けつつも農家での生活を送ります。その後、夫がモルヒネに依存する状況に直面し、最終的には離婚に至ります。このように、物語の前半では愛子の波乱に満ちた人生が描かれています。

物語はここで終わりません。離婚を経て新たな人生を歩む愛子は、聖路加病院に勤務しながら創作活動を始め、同人誌「文芸首都」に参加します。ここで彼女が書いた小説『愛子』で物語は幕を閉じますが、ドラマ版では愛子が『戦いすんで日が暮れて』を書き上げ、直木賞を受賞するという物語まで進展します。

制作エピソード

本作のプロデューサー、堀川とんこうは、原作者である佐藤愛子からの取材を度々行い、彼女の意見や直々の指摘を受けることが多かったとされています。「兄のハチロー（詩人のサトウハチロー）は、あんなパン屋のオッサンみたいなアホ面じゃありません！」といったお叱りの電話が寄せられることもあったとのこと。さらには、俳句の季語についての厳しい指摘もあり、堀川は冷や汗をかくことが多かったと言います。

堀川とんこうは、TBS時代に『愛子』を手掛ける前には、同じく佐藤愛子原作の『安ベエの海』にも関与しており、彼女の自宅にお邪魔する機会も多くありました。『ずっとドラマを作ってきた』という著書の中にもこういったエピソードが綴られています。

キャストとスタッフ

このドラマには杉田景子が佐伯愛子を演じる他、渡辺美佐子、ひし美ゆり子、垂水悟郎、大門正明などがキャストとして名を連ねています。スタッフには、脚本を高橋辰雄、演出を福田新一と前川英樹、高畠豊が手掛け、音楽には深町純が起用されました。

主題歌は五輪真弓による「愛子」であり、これにより作品の雰囲気が一層引き立てられました。制作にはTBSが関与し、広く視聴者に受け入れられる作品となりました。

まとめ

『愛子』は、単なるドラマにとどまらず、一人の女性の成長物語として、多くの視聴者の心に残る作品となりました。彼女の苦難や成長を通じて、視聴者は感動や共感を得られる作品に仕上がっています。

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