愛宕 (重巡洋艦)

愛宕（あたご）

愛宕は日本海軍に所属する重巡洋艦であり、特に太平洋戦争時の活動が注目されています。艦名は京都府にある愛宕山に由来しており、艦艇としては3隻目にあたります。初代の愛宕は明治時代の砲艦であり、続く艦は天城型巡洋戦艦の4番艦として建造が計画されましたが、その設計は中止されました。

概要

一等巡洋艦・愛宕は、高雄型重巡洋艦の2番艦に位置づけられます。当初、工事が急ピッチで進められたため、姉妹艦の高雄よりも早く完成し、愛宕型とも称されることがあります。愛宕は太平洋戦争の激戦区である南方において、数々の戦闘に参加し、最終的には1944年10月23日にアメリカの潜水艦ダーターの攻撃により沈没しました。愛宕は長い間第二艦隊の旗艦として日本の精鋭艦隊を指揮しており、戦艦金剛型や長門型、大和型を含む艦艇を指揮下に置きつつ、様々な海戦に参加しました。

戦歴

愛宕は1927年に呉海軍工廠で起工し、1932年には正式に就役しました。就役後、愛宕は第二艦隊第四戦隊に編入され、様々な観艦式や演習にも参加しました。特に1938年の近代化改装を経て、1941年には摩耶に代わって第二艦隊旗艦に就任しました。

太平洋戦争の開戦を迎えると、愛宕は南方部隊本隊を指揮し、マレー作戦や蘭印作戦など、東南アジアでの軍事行動を行いました。1942年、愛宕はインド洋にも進出し、アメリカの駆逐艦を撃沈する戦果を挙げています。その後もソロモン諸島での戦闘に参加し、アメリカ艦隊との接触を試みましたが、様々な困難に直面しました。

1944年にはマリアナ沖海戦やレイテ沖海戦に参加し、特にレイテ沖では栗田艦隊の旗艦として重要な役割を果たしました。しかし、運命は2004年の10月23日に突如として訪れます。愛宕はアメリカの潜水艦ダーターからの攻撃を受け、魚雷4本が命中したことで、急速に傾斜を増し沈没しました。このとき、艦長や乗員の一部は救助艇によって救出されましたが、約360名が命を落としました。愛宕の沈没は日本海軍にとって大きな損失であり、その影響は戦局に多大な影響を与えました。

艦名の由来とその後

愛宕の艦名は愛宕山から取られたもので、日本海軍においては非常に重要な意味を持ちます。その名を冠した艦艇は、愛宕沈没後も引き継がれ、現代では海上自衛隊のあたご型護衛艦の1番艦としてその名前が使われています。

歴代艦長

愛宕には数代の艦長が存在し、その多くが戦局の重要な決断を下してきました。艦長には、佐田健一大佐や栗田健男中将が名を連ね、彼らは艦艇としての愛宕を全うするため、大いに奮闘しました。

結び

愛宕はその戦歴を通じて日本海軍の進撃力を示し、多くの海戦で果敢に戦いました。その壮絶な運命は、太平洋戦争の歴史の一部として語り継がれています。

もう一度検索