愛知県立加茂丘高等学校

愛知県豊田市藤岡飯野町に所在する公立高等学校です。かつての西加茂郡藤岡町域に位置し、普通科の中に自然科学分野に特化したコースを設けています。この地域に根差した学び舎は、「さとくゆたかにたくましく」という校訓を掲げ、教育活動を展開しています。

設置学科

本校には、全日制課程として以下の学科が設けられています。

普通科
自然科学コース: 自然科学に関する専門的な知識や探究活動に力を入れています。

沿革

愛知県立加茂丘高等学校は、地域の教育体制を再編する動きの中で誕生しました。その歴史は1971年（昭和46年）2月に始まります。当時の愛知県知事、藤岡村長、小原村長の間で、既存の複数分校を統合し、新たな県立高校を設立するための覚書が交わされました。この合意を受け、同年4月には新設校開設に向けた準備組織が発足。同年8月には校舎建設工事の起工式が執り行われ、建設が本格化しました。9月には学校名が「愛知県立加茂丘高等学校（仮称）」、設置学科が普通科となることが公示されました。

翌1972年度の入学者募集に向けて、1971年12月には募集要項に普通科3学級（定員135名）として生徒募集を行う旨が明記されました。開校準備が大詰めを迎えた1972年3月には、女子生徒の制服や学校の象徴となる校章のデザインが決定。同じ時期に入学者選抜試験が実施され、第一期生が選ばれました。

そして1972年（昭和47年）4月、愛知県立加茂丘高等学校は正式に開校しました。この際、地域の教育資源を統合するため、愛知県立猿投農林高等学校の藤岡・小原両分校、そして愛知県立足助高等学校旭分校が本校に統合されました。開校から半年後の同年10月には、開校を祝う記念式典が盛大に開催されました。

学校の更なる発展と象徴の確立として、1973年3月には校旗が制定され、1975年3月には生徒に歌い継がれる校歌が制定されました。また、時代の変化に合わせて、2000年（平成12年）4月には生徒の制服デザインが一新されています。

教育方針

本校では、教育基本法の精神に則り、未来の社会を担う有為な人材の育成を目指しています。その根幹をなすのが、本校の基本校訓である

「さとくゆたかにたくましく」

です。

この校訓を指針とし、生徒が将来にわたって活躍できるよう、以下の三つの教育目標を掲げています。

広い教養と良識のある青年: 知的好奇心を深め、社会の一員として適切な判断ができる能力を育みます。
豊かな情操と思いやりのある青年: 他者への共感や感動する心を持ち、温かい人間関係を築ける心を養います。
困難に耐える意志と体力及び実践力のある青年: 逆境にも挫けない精神力と健康な身体を育み、目標達成のために自ら行動できる力を培います。

これらの教育目標を実現するため、日々の学校生活において以下の努力目標に取り組んでいます。

知: 基礎学力の確実な定着を図り、多様な進路に対応できる応用力・実践力を高めます。
徳: 社会生活の基本となる規範意識や礼儀を身につけ、豊かな心を育むとともに、道徳的な判断力と行動力を養います。
体: 生涯にわたって健康を維持できるたくましい身体を作り上げ、困難に打ち勝つための忍耐力を鍛えます。

校章

愛知県立加茂丘高等学校の校章は、地域の自然に深く根差したデザインです。台座部分は、この地域にも自生している植物、スハマソウ（別名ユキワリソウ）の葉をかたどっています。スハマソウの葉には三つの裂片があり、これは本校が重視する教育目標、「知」「徳」「体」の三つの柱を象徴しています。

スハマソウは、厳しい冬の寒さの中で、積もった雪を割るようにして美しい花を咲かせます。その強い耐寒性と可憐な姿には、「雄々しさ、たくましさの中に清潔な心と姿」という意味が込められており、本校の生徒に育んでほしい資質を表しています。

また、校章の中心に配された「高」の文字は、単なる学校の種類を示すだけでなく、高等学校という学びの場における生徒同士、そして教職員との間の「人と人の交わり」や、共に目標に向かって進む「連帯性」を象徴的に表現しています。

学校生活

本校の教育課程は普通科を中心に構成されており、その中に自然科学分野に特化した学びを深める自然科学コースが設置されています。生徒は自身の興味や将来の目標に合わせて、多様な学びの機会を得ることができます。

学業に加え、生徒の健全な育成と豊かな人間性の涵養を目指し、部活動も活発に行われています。運動部、文化部ともに多岐にわたる種類の活動があり、多くの生徒が学業と両立させながら、自身の特技を磨き、仲間との絆を深めています。

交通アクセス

愛知県立加茂丘高等学校への主な公共交通機関によるアクセスは、最寄りのバス停留所を利用する方法です。とよたおいでんバスまたはふじバスに乗車し、「加茂丘高校前」停留所で下車後、学校までは徒歩でおよそ300メートルです。

主要な鉄道駅からのバスによる所要時間は、名鉄三河線および豊田線の豊田市駅からバスで約50分、梅坪駅からはバスで約40分程度と見込まれます。

著名な関係者

本校に在籍経験のある著名な人物としては、タレントとして活躍されている美奈子さんがいらっしゃいますが、高校在学途中で中退されています。

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