愛知県立常滑高等学校

愛知県立常滑高等学校：歴史と伝統を誇るセラミックの学び舎

愛知県立常滑高等学校は、愛知県常滑市に位置する公立高等学校です。通称は「常高」。1896年、常滑工業補習学校として創立された歴史を持ち、県内でも4番目に古い高校の一つに数えられます。

多彩な学科と歴史の重み

当初は陶器の専門教育機関としてスタートした本校は、時代の変遷とともに発展を遂げ、現在では普通科、セラミックアーツ科、クリエイティブデザイン科の3学科を設置しています。特にセラミックアーツ科は、愛知県内では愛知県立瀬戸窯業高等学校と並んで、全国的にも稀有なセラミック関連の学科として知られています。

2006年には、1976年に分離した愛知県立常滑北高等学校と統合されました。この統合により、本校は常滑北高校の校地（常滑市金山）に移転し、新たな歴史を刻み始めました。統合後しばらくは「（新設）常滑高校」と呼ばれ、旧常滑高校の校舎は2008年に閉鎖されました。その後、旧校舎は「やきもの・ものづくりセンター」として新たな活用が計画されています。

統合までの歩み：幾多の変遷

本校の歴史は、明治29年の常滑工業補習学校開校に遡ります。その後、常滑陶器学校、常滑町立常滑陶器学校、愛知県常滑陶器学校、愛知県常滑工業学校と名称を変えながら、陶磁器産業を支える人材育成に貢献してきました。昭和23年の学制改革を機に、愛知県立常滑工業高等学校となり、同年、愛知県常滑高等学校と統合して愛知県立常滑高等学校となりました。昭和50年には普通科を分離し、愛知県立常滑北高等学校を設立しましたが、平成18年の再統合によって現在の体制が整いました。

校舎も幾度となく移転を繰り返しています。明治29年の開校当初は奥条校舎、明治43年には瀬木校舎に移転し、大正13年には現在の奥栄町に移転しました。平成18年の統合後は、常滑市金山の常滑北高校の校地となりました。

教育理念と特色ある学校行事

本校の教育目標は、「ものを創る」ことを通じた豊かな知性と情操、創造性を育み、社会に貢献できる人材を育成することです。部活動や学校行事を通して、たくましい身体と精神、社会性を養い、将来の職業人としての誇りを持ち合わせることができるよう指導しています。

特色ある行事として、かつては「遠泳訓練」と「闊歩」がありました。「遠泳訓練」は、知多郡美浜町小野浦海水浴場で行われていましたが、現在は「スタディキャンプ」に変わっています。「闊歩」は、数十キロメートル離れた施設との往復を歩くもので、現在も実施されています。

進路指導と伝統

進路指導では、大学進学、地域社会への貢献、中部国際空港関連への就職の3本柱を掲げています。普通科は大学進学を主な進路とし、専門科は就職を主な進路としています。地元企業、特にLIXILへの就職者も多いのが特徴です。

校歌と伝統

本校の校歌は、2006年の統合を機に、作詞を谷川俊太郎氏、作曲を谷川賢作氏（俊太郎氏の長男）が担当しました。これは、谷川俊太郎氏の父である谷川徹三氏が常滑市出身であること、そして俊太郎氏自身が常滑市にゆかりがあることによるものです。統合以前の校歌も存在し、さらに遡れば、愛知県常滑陶器学校時代からの校歌も残っています。

まとめ

120年以上の歴史と伝統を誇る愛知県立常滑高等学校は、セラミックアーツ科という特色ある学科を持ち、地域社会に貢献する人材を育成しています。歴史ある校舎と、未来を見据えた教育体制によって、生徒たちは豊かな経験と学びを得ているのです。

もう一度検索