愛知県立稲沢高等学校

愛知県立稲沢高等学校は、愛知県稲沢市平野町加世11番地に位置していた県立の高等学校です。大正時代の1914年（大正3年）に開校して以来、一世紀以上にわたり稲沢地域における教育の一端を担ってきました。主に農業分野を中心とした専門学科を有し、多くの人材を育成してきましたが、教育体制の再編に伴い、2023年（令和5年）4月には愛知県立稲沢東高等学校および愛知県立尾西高等学校と統合され、新たに愛知県立稲沢緑風館高等学校が開校しました。本校の校地を引き継いだ新高校への移行期間として、2025年（令和7年）3月まで学校は存続し、閉校する予定となっています。

設置されていた学科

本校では、農業や生活に関連する専門的な学びを提供するために、以下の学科が設けられていました。これらの学科では、時代の変化や社会のニーズに応じた多様な教育が行われ、生徒たちは2年次からさらに専門性を深めるための各コースに分かれて学習を進めました。

園芸科
生産コース
利用コース
農業土木科
設計コース
施工コース
環境デザイン科
造園コース
緑化コース
生活科学科
生活コース
食品コース

これらの学科における学びは、農業技術の向上や地域環境の整備、そして豊かな食生活の実現に貢献する専門知識と技術の習得を目指すものでした。

沿革

本校の歩みは、1914年（大正3年）に稲沢町立園芸学校として始まったことに遡ります。その後、教育体制の整備とともにその姿を変え、1923年（大正12年）には愛知県に移管され愛知県稲沢農学校となりました。戦後の学制改革を経て、1948年（昭和23年）には愛知県立稲沢農業学校と改称。翌1949年（昭和24年）には、総合的な教育を目指す高等学校として愛知県立稲沢高等学校という名称になりました。学校の発展とともに、1956年（昭和31年）には佐屋分校を設置しましたが、この分校は1965年（昭和40年）に愛知県立佐屋高等学校として独立しました。また、1971年（昭和46年）には普通科が分離独立し、愛知県立稲沢東高等学校が開校するなど、地域の教育機関の形成にも関わってきました。そして、近年における教育再編の動きの中で、2023年（令和5年）4月、愛知県立稲沢東高等学校および愛知県立尾西高等学校との統合が実施され、本校の地に愛知県立稲沢緑風館高等学校が誕生しました。これ以降、本校は在校生の卒業を待つ形となり、2025年（令和7年）3月末をもって、その長い歴史に幕を閉じることとなっています。

アクセス

本校へのアクセスは、名鉄名古屋本線の国府宮駅が最寄り駅となります。駅からは徒歩の場合、約3キロメートルの距離があります。また、国府宮駅からバスを利用することも可能です。「アピタ稲沢店」行または「矢合観音」行きのバスに乗車し、「稲沢公園」停留所で下車後、そこから徒歩で約1.3キロメートルほどで学校に到着することができます。

愛知県立稲沢高等学校は、長年にわたり地域社会と深く関わりながら、多くの卒業生を世に送り出してきました。その歴史はまもなく終結しますが、培われてきた教育の精神や伝統は、統合によって新たに誕生した愛知県立稲沢緑風館高等学校へと引き継がれていくことでしょう。

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