愛知県立高蔵寺高等学校

愛知県立高蔵寺高等学校（あいちけんりつこうぞうじこうとうがっこう）

愛知県立高蔵寺高等学校は、愛知県春日井市藤山台に所在する、全日制普通科の公立高等学校です。1980年（昭和55年）4月に地域に開校し、その歴史をスタートさせました。所在地は春日井市の北東部、高蔵寺ニュータウンのほぼ中心部にあり、周辺には春日井市立藤山台中学校や複合施設グルッポふじとう、そして藤山台団地などの閑静な住宅街が広がっています。生徒や地域住民からは「蔵高（くらこう）」という略称で親しまれていますが、名古屋市瑞穂区にある名古屋経済大学高蔵高等学校とは関連がありません。

通学圏は広く、春日井市内からの生徒はもちろんのこと、隣接する名古屋市守山区や瀬戸市、小牧市、尾張旭市など、近隣の市町からも多くの生徒が通学しています。最寄り駅はJR中央本線および愛知環状鉄道線の高蔵寺駅で、駅から名鉄バスや「はあとふるライナー」といった路線バスを利用してアクセスするのが一般的です。

教育方針の柱として、「よりたくましく、よりゆたかに、よりさとく」という校訓を掲げています。この校訓のもと、生徒一人ひとりの心身の成長と知性の涵養を目指した教育が行われています。

教育課程は全日制の普通科のみで、かつては定員360名（9クラス）でしたが、2023年度の入学生からは定員が320名（8クラス）に変更されました。1年生のうちは全員が共通の科目を履修しますが、芸術科目（音楽または書道）については選択制が導入されています。2年生からは、生徒の進路希望に応じて文型と理型に分かれ、それぞれの専門性を深める学習に進みます。

年間を通して様々な行事が実施され、学校生活に彩りを添えています。例年5月頃には修学旅行が行われ、主に北海道方面を訪れてラフティングや自然体験といった活動を通して、集団行動の大切さや自然の雄大さを学びます。6月にはクラス対抗の球技大会が開催され、バレーボールなどを通じて親睦を深めます。9月には、学校最大のイベントである「けやき祭」が3日間にわたり盛大に開催されます。けやき祭は体育大会と文化祭から成り、特に文化祭の2日目には、例年、名古屋市公会堂を会場に各クラスによる合唱コンクールが行われるのが特徴です。また、1年生を対象とした百人一首大会が毎年1月下旬に開催され、日本の古典文化に触れる機会となっています。

部活動も活発で、文武両道を目指す生徒が多いのが特徴です。運動部では硬式野球部が特筆されます。私学が優位とされる愛知県において、公立高校ながら強豪校として知られ、過去には夏の全国高等学校野球選手権愛知県予選で2009年と2014年の2度にわたりベスト8に進出するなど、優れた成績を残しています。文化部では、ディベート部が全国レベルでの活躍を見せており、「ディベート甲子園」として知られる全国高校ディベート選手権大会に複数回出場し、2007年と2010年には全国ベスト16入りという記録を残しています。その他、吹奏楽部（1991年）、書道部、合唱部（2022年）などが、全国高校総合文化祭への出場経験を持っており、文化活動も非常に盛んです。

校歌は、作詞を大野裕氏、作曲を冨田正二氏が手掛けています。

本校からは、元プロバスケットボール選手の地濃健太郎氏（豊田合成スコーピオンズ所属）や、生物学者として活躍する八代嘉美氏など、多方面で活躍する人材を輩出しています。

学校の沿革としては、1980年（昭和55年）4月の開校に続き、翌1981年（昭和56年）11月には校歌が制定されました。比較的新しい学校ですが、2021年には校舎のリニューアル工事が完了し、教育環境の整備も進んでいます。

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