愛知県警察部

愛知県警察部について

愛知県警察部は、戦前の愛知県に存在した警察組織です。内務省の監督下に置かれ、県内の治安維持を担っていました。その歴史は、明治初期にまで遡ります。

歴史

愛知県警察部の前身は、1871年（明治4年）に名古屋県に設置された締方です。その後、邏卒、愛知県庁第四課、愛知県警察本署、愛知県警察本部と名称を変え、1890年（明治23年）に愛知県警察部となりました。1905年（明治38年）には一時的に愛知県第四部となりましたが、1907年（明治40年）に再び愛知県警察部となっています。

1923年（大正12年）には、特別高等課（特別高等警察）が設置され、思想取締りも行うようになりました。1927年（昭和2年）には、護送用自動車が配備され、機動力が強化されています。1944年（昭和19年）には、警備隊が設置されました。1945年（昭和20年）には、名古屋大空襲や熱田空襲が発生し、警察活動も大きな影響を受けました。同年10月には、特別高等警察が廃止され、1946年（昭和21年）には警備隊も廃止されました。

1948年（昭和23年）3月6日、愛知県警察部は廃止され、国家地方警察愛知県本部と名古屋市警察などの自治体警察に再編されました。これにより、戦前の警察制度は終わりを告げ、新たな警察体制がスタートすることになりました。

組織

1942年（昭和17年）時点の愛知県警察部の組織は以下の通りです。

警務課
特別高等課
情報課
外事課
保安課
経済保安課
刑事課
警防課
労政課
建築課
保険課
職業課
警察練習所
警察署

この組織体制からもわかるように、多岐にわたる業務を担っていたことがわかります。特に、特別高等課は、戦時体制下において重要な役割を果たしていました。

主な事件

愛知県警察部が関与した主な事件としては、以下のようなものがあります。

吉田岩窟王事件
名古屋少年匕首殺害事件

これらの事件は、当時の社会情勢や警察活動を考える上で重要な事例と言えるでしょう。

まとめ

愛知県警察部は、戦前の愛知県において、治安維持に重要な役割を果たした警察組織でした。その歴史は、明治初期から戦後にかけての日本の警察制度の変遷を物語っています。現在の愛知県警察は、この愛知県警察部の歴史を受け継ぎ、県民の安全を守るために活動を続けています。

参考資料

愛知県警察史編集委員会編『愛知県警察史 第1巻』愛知県警察本部、1971年。
愛知県警察史編集委員会編『愛知県警察史 第2巻』愛知県警察本部、1973年。
愛知県警察史編集委員会編『愛知県警察史 第3巻』愛知県警察本部、1975年。

関連項目

国家地方警察愛知県本部
* 愛知県警察

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