感染列島

映画『感染列島』

『感染列島』（かんせんれっとう）は、2009年1月17日に公開された日本の映画である。主演には妻夫木聡と檀れいが起用され、瀬々敬久がメガホンを取った。また、配給は東宝が担当している。この作品のキャッチコピーは、「神に裁かれるのは、人間か?ウィルスか?」であり、作品のテーマと緊張感を象徴している。

概要

この映画が公開された3ヶ月後、実際に新型インフルエンザが全球的に流行し、多くの人々の関心を引いた。本作では日本国内で新型ウイルスが蔓延した場合に起こる様々な事態が描かれ、新型ウイルスに対する恐怖と人間ドラマが交錯する。2008年5月のカンヌ国際[[映画祭]]では、ストーリーが大きな話題となり、多くの反響を呼んでいた。この映画の公開前にはハリウッドによるリメイク計画もあったほどである。

ロケーションは主に新潟県で行われたが、一部は北海道中川町や千葉県鋸南町でも撮影されている。また、この映画を原作とした漫画作品も『ビッグコミックスペリオール』で連載されていた。

ストーリー

物語は2011年1月にいずみ野市立病院で始まる。救命救急医の松岡剛の元に、一人の急患が運び込まれ、熱や痙攣、吐血といった新型インフルエンザに類似した症状を呈していた。しかし、この感染症にはワクチンが通用せず、患者は急速に命を落としてしまう。松岡はその無力さを感じる一方で、病院内は院内感染によって混乱を極める。

感染拡大を防ぐため、WHOからメディカルオフィサーの小林栄子が派遣されてくる。松岡はかつての恋人である栄子との再会に動揺するが、彼女の指導のもと、病院の全面隔離や患者受け入れ拒否への方針転換に協力することを決める。

ウイルスは爆発的に広がり、数千万人が感染する恐れが持ち上がる。社会は混乱し、経済も破綻する危機に直面する。この状況下で、松岡と栄子は困難を乗り越え、究極の選択を迫られる。そして、いよいよ人類はパンデミックの瀬戸際に立たされる。果たして彼らは、この未曽有の危機に打ち勝つことができるのか。

キャスト

本作の主要キャストには、救命救急医の松岡剛（妻夫木聡）、WHOメディカルオフィサーの小林栄子（檀れい）のほか、看護師や医師、行政関係者など多くのキャラクターが重要な役割を果たす。具体的な出演者としては、国仲涼子（看護師・三田多佳子）、金田明夫（感染対策主任・高山良三）、宮川一朗太（救命医・宮坂）などが挙げられる。

関連商品

映画公開後、関連する商品もいくつかリリースされた。特に漫画版『感染列島』は、小学館ビッグコミックスペリオールで連載され、DVD/Blu-rayも発売されている。特典映像やインタビュー、メイキング映像が収録された版もあり、ファンから高い評価を受けている。

海外での問題

韓国では、本作の結末が無断で変更されて上映された事件も発生した。この事例は、作品の意図に反するものであり、製作側が不快感を示すこととなった。

エクストラの出演

防衛省・陸上自衛隊の撮影協力を受け、映画には自衛隊の車両や実際の隊員も登場している。ただし、一部のシーンでは装備や服装が異なる民間エキストラが登場することもある。全体として、リアリティと緊張感を与えた演出が功を奏し、多くの観客を魅了した作品である。

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