慈寿寺

慈寿寺

慈寿寺（じしゅじ）は、中華人民共和国福建省莆田市涵江区に位置する仏教寺院です。その起源は唐代に遡り、千年以上もの間、地域の信仰の中心として存在してきました。

歴史

慈寿寺の歴史は、唐の乾符3年（876年）に妙応によって伏虚庵として創建された時に始まります。その後、光啓2年（886年）には、僖宗皇帝より「慈寿禅寺」という名が与えられました。

北宋時代の景祐元年（1034年）には、寺院の大規模な修復が行われ、放目亭、雲濤亭、蒼霞亭、蘸緑亭、石屏軒、松風閣、雲臥堂、白雲堂、海月堂、延寿堂などの建造物が新たに増築されました。これにより、寺院の規模は拡大し、景観もより豊かなものとなりました。

しかし、元の時代に入ると、至元24年（1287年）に火災が発生し、寺院は焼失してしまいます。その後、至正26年（1366年）に住職であった深公によって再建されました。しかし、元末の紅巾の乱による火難によって、再び寺は全焼するという憂き目に遭いました。

明の時代に入り、洪武11年（1378年）には、住職の道杰が法堂や祖師殿を修復しました。洪武31年（1398年）には、住職の湘江が香積廚、飯堂、僧房を修復し、永楽9年（1411年）には、住職の永清が鐘楼、鼓楼、毗盧殿、輪蔵殿を再建しました。宣徳8年（1433年）には、禅宗に改宗しています。

清の光緒10年（1885年）には、住職の通源が大雄宝殿（本堂）を修復しました。光緒33年（1908年）には、源智と慧賢が相次いで禅堂、斎堂、倉庫、客堂、鐘楼、鼓楼、伽藍殿、祖師殿、功徳堂、そして左右両廊を建設しました。

1932年には、住職の化光、証明、妙義が方丈室と山門を再建しました。

しかし、20世紀後半に入ると、慈寿寺も文化大革命の波に飲まれます。文化大革命の初期には、仏像や法器が徹底的に破壊され、僧侶たちは迫害を受け、還俗を余儀なくされました。寺院は荒廃し、その存続が危ぶまれました。しかし、1983年には、中華人民共和国国務院によって漢族地区仏教全国重点寺院に認定され、保護されることとなりました。これにより、慈寿寺は再建と復興の道を歩み始めました。

今日、慈寿寺は、莆田市における重要な仏教寺院として、多くの人々の信仰を集めています。その歴史と文化的な価値は高く評価されており、国内外からの参拝者や観光客が訪れています。

参考文献

* “嚢山慈寿寺(嚢山寺)”. 莆田文化網. (2012年6月3日). http://www.ptwhw.com/?post=1187 (参照 2021年9月6日).

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