慈徳寺

慈徳寺

慈徳寺は、福島県福島市佐原にある曹洞宗の寺院です。宝珠山という山号を持ち、静かな里山の中に佇んでいます。

歴史

慈徳寺は16世紀頃に開かれたとされ、当初は「寿徳寺」という名前でした。奥州仕置によって伊達氏が岩出山へ移封された際、寿徳寺も共に移されました。その後、江戸時代になって再興され、現在の「慈徳寺」という名前になりました。ちなみに、伊達氏が岩出山に移した「宝珠山寿徳寺」は、現在仙台市青葉区に存在しています。

境内の名所

境内には、本堂、観音堂（信達三十三観音第六番札所）、愛宕堂などの建造物のほか、歴史的な名所や自然豊かなスポットがあります。

伊達輝宗首塚

天正13年（1585年）、米沢城主・伊達政宗の父である伊達輝宗は、二本松義継に拉致され、阿武隈川のほとりで命を落としました。当時、小浜城にいた政宗は、父の遺体を慈徳寺に運び、荼毘に付しました。そのため、この場所は「首塚」というよりも「火葬塚」と呼ぶのが適切かもしれません。しかし、古くから「首塚」として伝えられています。現在、観音堂の裏手にある大きな岩の上に五輪塔の上部二輪のみが残っており、伊達家の家紋が刻まれています。なお、輝宗の墓所は山形県高畠町の資福寺跡に、位牌は仙台市の壽徳寺に安置されています。

種まき桜

本堂前には、樹齢約300年のしだれ桜があります。根回りは2.7メートル、樹高は12.3メートルにもなります。この桜は、慈徳寺のある佐原地区の人々が、桜の開花を種まきの時期の目安としていたことから、「種まき桜」と呼ばれるようになりました。現在は福島市の天然記念物に指定されています。

樹木葬墓地

慈徳寺には、焼骨を地中に埋め、その上に樹を植えて墓標とする樹木葬墓地があります。これは、全国で11番目、県内では初の形式です。墓地の整備は檀家の労働奉仕によって行われ、重機を使わず、自然を最大限に残すように配慮されています。慈徳寺では、信仰や宗派に関わらず、永代供養を受け付けています。

アクセス

福島駅西口からバスで約30分、「あづま陸上競技場」で下車後、徒歩30分。

関連項目

日本の寺院一覧
伊達氏
* 樹木葬

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