慈雲寺 (重慶市)

慈雲寺（じうんじ）は、中華人民共和国重慶市南岸区の獅子山に位置する臨済宗の寺院です。長い歴史を持ち、数々の変遷を経て現在に至ります。

沿革

慈雲寺の創建は唐代に遡るとされ、その起源は非常に古いものです。現在の寺院は、清の乾隆22年（1757年）に建てられたもので、当初は観音廟と呼ばれていました。1927年に雲岩 नामक僧侶が伽藍を整備し、その際に慈雲寺と改称されました。

しかし、慈雲寺は文化大革命の初期に大きな苦難に見舞われました。仏像や法具は徹底的に破壊され、僧侶たちは迫害を受け、還俗を余儀なくされました。また、宋代に作られた貴重な石獅子も紅衛兵によって破壊されました。文化大革命後、1983年に中華人民共和国国務院は慈雲寺を漢族地区仏教全国重点寺院に認定し、保護の対象としました。2016年4月には寺院の修復が完了し、往時の姿を取り戻しました。

伽藍

慈雲寺の伽藍は、山門、天王殿、大雄宝殿、観音殿、文殊殿、普賢殿などの主要な建物で構成されています。これらの建物は、伝統的な中国仏教寺院の様式を色濃く残しており、訪れる人々を魅了します。

特に大雄宝殿には、貴重な玉仏が安置されています。この玉仏は高さ1.87メートル、幅1.34メートル、重さ1500キログラムを誇り、中国四大玉仏の一つとして知られています。その美しさと存在感は、参拝者들에게深い感銘を与えます。

また、慈雲寺の山門の左側の岩壁には、清の光緒10年（1884年）に原川東書院（後の川東師範学堂）の徐琴斻（昌緒）が書き、石工の崔興発が彫った「字水」という題字が刻まれています。この題字は長さ17.3メートル、高さ7メートルの岩壁に広がるように彫られており、その壮大さは圧巻です。字の高さは3.5メートル、幅は2.5メートル、字の間隔は3メートルと、非常に大きな文字で構成されています。

慈雲寺は、その長い歴史と文化的な価値から、多くの人々に愛される寺院です。訪れる人々は、静寂な空間の中で、歴史と文化に触れ、心の安らぎを得ることができます。重慶市を訪れる際には、ぜひ慈雲寺に足を運んでみてください。

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