慈雲寺 (高山市)

旗鉾山 慈雲寺：飛騨三十三観音霊場第三十番札所

慈雲寺は、岐阜県高山市丹生川町旗鉾に位置する曹洞宗の寺院で、旗鉾山と号します。本尊は釈迦如来であり、飛騨三十三観音霊場の第三十番札所として巡礼者から信仰を集めています。

歴史

慈雲寺の創建は точно 不明です。しかし、江戸時代に飛騨国主であった金森頼直が、高山素玄寺の末寺として慈雲寺を再興しました。その際、素玄寺五世の清懶徽猷（せいらんきゆう）を中興開山としています。正確な中興の年は明らかではありませんが、清懶徽猷の没年が延宝7年（1679年）以前であることから、それ以前に再興されたと考えられています。以降、慈雲寺は素玄寺の末寺として今日に至ります。

境内

境内には、本堂のほか、庚申堂と地蔵堂が建立されています。

丹生川街道と慈雲寺

慈雲寺の前を通る道は、往時「丹生川街道」と呼ばれ、多くの人々で賑わっていました。慈雲寺は、街道を行き交う旅人たちの休憩場所として親しまれ、多くの人が立ち寄ったと伝えられています。立ち寄る人が非常に多かったため、寺ではお茶を十分に提供することができず、湯を代わりに提供したことから、「湯沢山茶呉寺（ゆたくさんちゃくれいじ）」とも呼ばれていました。

寺領

江戸時代には、慈雲寺は除地として2斗9升余りの寺領を有していました。

参考文献

飛騨三十三観音霊場会『飛騨三十三観音霊場めぐり』p.123 飛騨三十三観音霊場会、2005年
松下千二『飛騨寺院風土記』p.138 濃飛展望社、1977年
* 大野郡丹生川村史編纂委員会　『丹生川町史 全』p.813-p.816　大野郡丹生川村 昭和37年

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