素玄寺

素玄寺について

素玄寺（そげんじ）は、岐阜県高山市にある曹洞宗の寺院です。高隆山（こうりゅうざん）という山号を持ち、東山景観保存地区の中に位置しています。この寺は、飛騨高山藩主であった金森氏と深い繋がりがあり、彼らにゆかりのある品々を数多く所蔵していることで知られています。

歴史

素玄寺は、高山藩初代藩主である金森長近（かなもりながちか）が亡くなった後、その跡を継いだ金森可重（かなもりありしげ）が、父の菩提を弔うために建立しました。開山には天翁秀梅（てんのうしゅうばい）が招かれました。寺の名前は、金森長近の法名である「金龍院殿前兵部尚書法印要仲素玄大居士」に由来しています。

文化財

寺には、金森長近が使用していた軍扇や采配、そして彼の肖像画などが所蔵されています。また、境内にある観音堂の馬頭観音は、飛騨三十三観音霊場の4番札所の本尊となっています。現在の本堂は、元々高山城三の丸にあった評議場を寛永12年（1635年）に移築したもので、高山市の文化財に指定されています。

境内

素玄寺の庭園は、高山市の名勝に指定されるほどの美しい庭園として知られています。訪れる人々を魅了する、見事な景観が広がっています。

松倉山観音堂

高山市街地の南西にある松倉山には、素玄寺が管理している観音堂があります。ここでは、毎年8月9日と10日に紙絵馬市が開かれることで有名です。この観音堂に安置されている観音像は、慈覚大師円仁（じかくだいしえんにん）が彫刻し、その後、佐々木高綱（ささきたかつな）や三木自綱（みきよりつな）に渡ったと伝えられています。

参考資料

飛騨国寺院風土記
岐阜県の歴史散歩
* 高山市史 下巻

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