慰安婦問題日韓合意

慰安婦問題日韓合意

慰安婦問題日韓合意（いあんふもんだいにっかんごうい）は、2015年12月28日に日本と韓国政府間で結ばれた合意です。この合意は、慰安婦問題に関して最終的かつ不可逆的な解決を目指すもので、両国の外交関係において重要な役割を果たしました。

合意の経緯

日韓両政府による慰安婦問題の解決に向けた協議は、2014年4月から始まりました。その中で、韓国側は日本に対して「不可逆的な謝罪」を求め、日本側は「最終的な解決」を求めるなど、双方の要求が交錯しました。その結果、2015年1月の局長級協議からは、韓国側の「不可逆的な解決」が合意文言に反映されることとなりました。合意の正式文書は交わされず、共同記者会見において内容が公表される形が取られました。

主要内容

合意に基づき、日本政府は元慰安婦の支援財団である「和解・癒やし財団」に10億円を拠出することを約束しました。これは、元慰安婦およびその遺族への慰労金として支給されたほか、今後日本と韓国が慰安婦問題について互いに非難することを避ける事にも合意されました。

また、共同記者発表で日本の外務大臣岸田文雄は当時の軍の関与を認め、「心からおわびと反省の気持ち」を表明しました。一方、韓国の尹炳世外相は、合意の成立を評価し、両国の協力と新しい関係の構築が求められるとしました。

反響と問題

合意が発表された直後、日本国内では賛成意見が多い中、日本共産党が「全ての慰安婦被害者が人間としての尊厳を回復しなければ真の解決にはならない」と述べるなど、慎重な意見も出ました。 一方、韓国国内でも、元慰安婦やその支援団体からは合意に対する不満が続出し、慰安婦像設置なども行われました。

合意の履行状況

日本政府は合意に基づき、財団への10億円を拠出しましたが、韓国政府は合意の法的拘束力を否定しました。さらに、慰安婦像の移設などの問題が解決されず、合意後の関係はさらに複雑化しています。2018年には韓国政府が「和解・癒やし財団」の解散を発表しましたが、日本はこれを強く反発しました。

最後に

日韓合意は、慰安婦問題に関する外交上の妥協であり、その後の履行状況や影響が両国間の関係に深く影響を与えています。合意発表からしばらく時間が経過した今でも、不完全な合意内容と両国民の感情のすれ違いが続いています。両国政府は対話を通じて、今後の関係についてより深い理解と解決策を見出す必要があります。

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