慶應義塾中等部

慶應義塾中等部

慶應義塾中等部（けいおうぎじゅくちゅうとうぶ、英: Keio Chutobu Junior High School）は東京都港区にある私立の共学中学校で、慶應義塾大学の三田キャンパスの近くに位置しています。1905年に設立された「慶應義塾商工学校」を前身としており、1947年に新制度の中等部として開校されました。この中等部は、同じく慶應義塾系列の普通部が男子校であるのに対し、湘南藤沢中等部と同じく男女共学を実施しています。また、慶應義塾中等部は、3つの一貫教育中学校の中では唯一東京都内に存在する学校です。

学校の特色

慶應義塾中等部の制服は、式典用のグレーの制服が用意されており、普段の学校生活では「基準服」と呼ばれる服装を着用します。その基本は、襟・袖付きのシャツやポロシャツにスカートまたはスラックスというスタイルで、ジーンズは許可されていません。また、基本的に校則は存在せず、自主性を重んじた自由な校風が特徴です。校長には井上逸兵が就任しています。

歴史

商工学校は、1904年に設置の認可を受け、翌年から第1期生の受け入れを開始しました。当初は6年制の教育課程を設け、中等教育の段階で職業人を育成することを目指していました。その後、大学令の施行とともに進学先としての選択肢が増えることで教育課程は改定されていきます。また、1944年には募集が一時停止されましたが、戦後再開し、1947年に新制中等部が設立されました。商工学校と中等部の間には制度上のつながりはありませんが、実質的には商工学校の流れを汲んでいます。

慶應義塾中等部では「自立した個人を育む自由な教育」が基本理念として掲げられており、生徒たちが自ら考え、判断し行動できるような教育が推進されています。

授業と学校行事

授業は45分ごとの6時間制で、月曜日から金曜日まで行われます。中等部の生徒数は約252名で、クラス数は6つで構成されています。3年次には独自の選択授業があり、生徒たちは興味に応じた科目を選ぶことができるため、自主性や学びの意欲を高めることが可能です。

学校行事も充実しており、毎年4月に入学式や新入生歓迎会が行われ、5月には遠足が実施されます。6月にはクラステーマをテーマにした校内大会や、夏季には修学旅行を含む様々なイベントがあります。入試は国語、算数、社会、理科の筆記試験に加え、体育と面接が行われ、男子約120名、女子約50名を募集しています。

進路と卒業生

卒業後の進学先には、慶應義塾の系列高校があり、男子は塾高や志木高、女子は女子高への進学が多くみられます。近年、塾高への進学者数が増加しており、さまざまな著名な卒業生を輩出しています。

学校施設

キャンパスには本館や新館、特別教室棟、体育館、さらにはグラウンドなど、充実した施設が整っています。綱町グラウンドは特に地元で有名で、スポーツを通じて地域とのつながりも大切にされています。学校のシンボルとして、玄関にはユニコン像が設置されており、威風堂々とした印象を与えています。

慶應義塾中等部は、自由な環境の中で多様な学びの機会を提供し、生徒たちが自立して成長するための強固な基盤を築いています。

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