慶應義塾大学大学院経営管理研究科

慶應義塾大学大学院経営管理研究科（KBS）

慶應義塾大学大学院経営管理研究科（KBS）は、1962年に慶應義塾大学産業研究所から独立して設立された、日本で最も歴史のあるビジネススクールです。通称「慶應義塾大学ビジネス・スクール」とも呼ばれています。日吉キャンパスに位置し、修士課程（MBA）、博士課程（Ph.D）に加え、社会人向けの各種プログラムを提供しています。

特徴

KBSは、ハーバード・ビジネス・スクールとの協力関係の下、現実の企業経営事例を基にしたケースメソッド教育を採用しています。入学にあたっては、出身学部を問わず、多様なバックグラウンドを持つ学生を受け入れています。学位は、専門職学位ではなく「修士（経営学）」が授与されます。また、マネジメント教育における国際認証AACSBとEQUISを日本で初めて取得しましたが、EQUIS認証は現在、継続が停止されています。

歴史

1956年：慶應・ハーバード大学高等経営学講座を開講
1962年：産業研究所から独立し、ビジネススクールとして設立
1978年：日本初の2年制大学院経営管理研究科（修士課程）を設置
1991年：博士課程を開設
2000年：AACSB認証を取得
2008年：日吉キャンパス内の協生館に移転
2011年：EQUIS認証を国内初取得
2015年：職務経験15年以上の社会人向けExecutive MBAプログラム開設

キャンパスと施設

KBSは、日吉キャンパスの協生館に位置しています。協生館には、KBSを含む複数の大学院や、健康、スポーツ文化関連の施設が入っています。協生館図書室には7万冊を超える蔵書があり、企業関連図書やアニュアルレポートが充実しています。KBSの学生は、学内6キャンパスの図書館も利用可能です。

大学院経営管理研究科

入試

MBAプログラムでは、一般入試のほか、国際プログラム重視入試、企業派遣者対象入試があります。書類選考後、小論文と面接が課されます。国際プログラム重視入試では、TOEFL iBT90点以上またはTOEIC860点以上のスコアが必要です。
EMBAプログラムでは、企業推薦または個人の資格による出願が可能です。いずれも書類審査と面接試験があり、個人の資格による出願の場合は筆記試験も課されます。職務経験15年以上が必須条件です。

修士課程

2年間の全日制MBAプログラムと、2年間土曜日中心のExecutive MBA (EMBA) プログラムがあります。

MBAプログラム

KBSのMBAプログラムは、経営技術だけでなく、企業の進むべき方向を確立し、総合的な管理能力を育成することを重視しています。授業は、ケースメソッドを中心に展開され、学生は500を超えるケースに取り組みます。1年次には、経営学の8つの領域を基礎科目として学び、2年次には専門科目を選択し、修士論文に取り組みます。授業はグループディスカッション、クラスディスカッション、教員による講義で構成され、学生間の交流も活発です。また、入学合宿やビジネス・ゲーム合宿も実施しています。

EMBAプログラム

EMBAプログラムは、グローバルな視点を持つ中核経営人材の育成を目的としています。1年目には基礎知識を体系的に学び、2年目には企業の変革戦略を策定する国内フィールドワークを行います。ビジネスと社会を両立させる視点も重視しています。修了には50単位の取得が必要です。

博士課程

博士課程は、経営に関する研究者や高度専門家の育成を目的としています。専門科目の履修、ケース作成、事例研究論文作成、博士論文作成を行います。全日制で、原則として週日の授業への出席が求められます。

プログラム

国際単位交換プログラム

海外のトップビジネススクールとの交換留学プログラムを提供しています。KBSの修士課程に在籍する学生は、選抜の上、提携校へ留学できます。また、提携校からの留学生も受け入れています。

ダブルディグリー・プログラム

提携校とのダブルディグリー・プログラムも提供しており、1年ずつ両校で学び、2つのMBAを取得できます。

デュアル・ディグリープログラム

医学研究科、薬学研究科、健康マネジメント研究科とのデュアル・ディグリープログラムも設置されています。これにより、ビジネスと医学、薬学、公衆衛生学の両分野を修めることが可能です。

MBA協定

京都大学経営管理大学院、神戸大学大学院経営学研究科とMBA連携協定を締結し、教材開発や学生交流を促進しています。

社会人向けプログラム

KBSでは、学位を授与しない社会人向けプログラムとして、エグゼクティブセミナー、ISSUEセミナーを開講しています。

エグゼクティブセミナー

トップマネジメントやミドルマネージャーを対象とした短期間集中のセミナーを提供しています。高等経営学講座、経営幹部セミナー、週末集中セミナーなどがあります。

ISSUEセミナー

ケースメソッド授業の教え方を学ぶためのセミナーを開講しています。

主な修了生

KBSの修了生は、国内外の企業や研究機関で活躍しています。著名な修了生としては、サムスン電子会長の李在鎔氏、ボストン・コンサルティング・グループ日本代表の杉田浩章氏などがいます。

その他

KBSは、国際的なビジネスリーダー育成において、重要な役割を果たしています。その教育プログラムは、理論と実践をバランス良く組み合わせ、グローバルな視点を持つ人材を育成することを目的としています。

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