慶雲寺 (肇慶市)

慶雲寺（けいうんじ）

慶雲寺は、中華人民共和国広東省肇慶市鼎湖区の鼎湖山に位置する、歴史ある仏教寺院です。その起源は明代に遡り、中国仏教の重要な拠点として、今日までその存在感を示しています。

歴史

慶雲寺の歴史は、明の崇禎6年（1633年）に釈在犄（しゃくざいき）によって肇慶府に建立された蓮花庵（れんげあん）に始まります。崇禎8年（1635年）には、釈棲壑（しゃくせいかく）が住職として迎えられ、寺院の拡張に尽力しました。

南明時代に入ると、永暦3年（1649年）には、永暦帝がその母と共に慶雲寺を訪れ、寺の格式を高めました。清代に入り、永暦24年（1670年）には、尚可喜（しょうかき）の子である尚之孝（しょうしこう）が鐘楼、鼓楼、食堂などを建立し、寺院の規模はさらに拡大しました。

しかし、咸豊9年（1860年）には、太平天国の乱の兵火により、寺は全焼するという壊滅的な被害を受けました。その後、光緒18年（1893年）に、西太后（せいたいこう）によって「万寿慶雲寺」という勅額が下賜され、寺院の再建が始まりました。

1916年には再び火災に見舞われ焼失しましたが、1923年には孫文（そんぶん）が寺院を訪れ参拝するなど、中国の近代史においても重要な役割を果たしました。

1983年には、中華人民共和国国務院によって、漢族地区仏教全国重点寺院の一つに認定され、国家的な保護を受けることとなりました。

伽藍（がらん）

慶雲寺の境内には、以下の主要な建物が配置されています。

韋駄殿（いだでん）：仏法を守護する韋駄天を祀る。
知客堂（しかどう）：訪問者を迎えるための建物。
雲房（うんぼう）：僧侶の住居。
客堂（きゃくどう）：客をもてなすための建物。
鼓楼（ころう）：太鼓を設置した楼。
斎堂（さいどう）：食事をするための建物。
鐘楼（しょうろう）：鐘を設置した楼。
大雄宝殿（だいゆうほうでん）：本尊を安置する本堂。
祖師殿（そしでん）：宗派の祖師を祀る。
伽藍殿（がらんでん）：寺院の守護神を祀る。
毗盧殿（びるでん）： 毘盧遮那仏を祀る。
蔵経楼（ぞうきょうろう）：経典を収蔵する。
七仏楼（しちぶつろう）：過去七仏を祀る。
睡仏楼（すいぶつろう）：釈迦の涅槃像を安置する。
仏母楼（ぶつもろう）：仏母を祀る。
塔殿（とうでん）：塔を安置する。

これらの建物は、中国仏教寺院の伝統的な様式を今に伝える貴重な文化財であり、多くの参拝者や観光客が訪れています。

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