成松義文

成松 義文（なりまつ よしふみ）

1950年6月30日生まれ。日本の実業家として知られ、特に化粧品・健康食品メーカーであるファンケル株式会社における要職を歴任しました。岐阜県大垣市に生まれ育ち、地元の岐阜県立大垣北高等学校を卒業後、1974年に横浜市立大学商学部で学び、同大学を卒業しています。

大学卒業後、成松氏は蛇の目ミシン工業株式会社に入社し、主に営業部門でキャリアをスタートさせました。同社での勤務を経て、蛇の目ミシン工業とファンケルとの間で業務提携が結ばれたことを機に、ファンケル創業者である池森賢二氏からの直接の誘いを受け、1993年にファンケルに入社します。

ファンケル入社後は、新たに立ち上げられたサプリメント事業など、会社の成長分野に深く関わりました。その後、社内での昇進を重ね、1999年には執行役員フード事業部長に就任。食品関連事業の責任者として手腕を発揮します。翌2000年には取締役店舗販売事業部長に昇格し、ファンケルの重要な販売チャネルである店舗事業を統括しました。

経営の中枢に関わるようになり、2002年には常務取締役第二営業本部長および同本部化粧品事業部長を兼任。化粧品事業においても重要な役割を担います。さらに2004年には、取締役常務執行役員として営業全般を統括し、第一営業本部およびカスタマーリレーション本部の本部長を務めました。この時期、ファンケルの顧客との関係構築や営業戦略立案において中心的な役割を果たしたと考えられます。

2005年には、ファンケル本体の取締役に加えて、グループ会社であるファンケル美健株式会社および株式会社ニコスターの代表取締役社長を兼任。多角的な事業展開を推し進めるファンケルグループ内での責任範囲を拡大しました。2007年には取締役専務執行役員となり、管理・研究部門の統括と、健康食品カンパニー長を兼務。ファンケルの根幹をなす健康食品事業と、それを支える管理・研究体制の強化に努めました。

そして、2008年からはファンケル株式会社の代表取締役社長に就任。会社の経営トップとして、その舵取りを担いました。社長在任中、2012年には内部統制委員会委員長および海外事業本部長も兼務するなど、グローバル展開や企業統治体制の構築にも力を入れました。

社長職を退いた後も、2013年にファンケル相談役、2014年にはファンケル顧問として、豊富な経験と知見を活かし、引き続き会社に貢献しました。また、ファンケルでの職務と並行して、業界団体の活動にも積極的に関与し、日本健康・栄養食品協会の評議員なども歴任しています。

このように、成松義文氏は、蛇の目ミシン工業での営業経験を礎にファンケルへ転じ、サプリメント事業の創成期から経営の要職を経て代表取締役社長に至るまで、ファンケルの成長を牽引した実業家です。そのキャリアは、事業立ち上げ、営業戦略、多角化、経営全般に至るまで広範に及び、日本の健康食品・化粧品業界において重要な足跡を残しました。

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