成田佑美

成田 佑美

成田 佑美（なりた ゆみ）は、日本の女性プロボクサーである。本名を雨盛 佑美（あめもり ゆみ）といい、旧姓が成田である。1989年4月5日、兵庫県神崎郡に生まれた。姫路木下ボクシングジムに所属し、選手キャリアを歩んでいる。第4代日本女子ミニマム級王者および第7代OPBF東洋太平洋女子ライトフライ級王者として、二階級制覇を達成した実績を持つ。

プロキャリア

成田のボクシングキャリアは、一般的なプロボクサーとは異なる経緯をたどる。23歳まで会社員として勤務しており、この頃に健康維持のために姫路木下ボクシングジムでボクシングエクササイズを始めたのがきっかけである。ジムで元日本ミドル級チャンピオンの江口啓二トレーナーと出会ったことが、彼女の人生を大きく変えることになる。江口トレーナーの指導の下、プロボクサーへの道を志し、26歳で長年勤めた会社を退職し、本格的にプロを目指すことを決意した。

プロデビュー戦は2016年5月15日、池本夢実を相手に行ったが、判定で敗れ黒星スタートとなった。その後もキャリア初期は苦戦を強いられることもあったが、着実に経験を積んでいく。日本女子ミニマム級の王座決定戦に出場する機会を得る。2018年10月31日に行われた日向野知恵との同王座決定戦は、結果的に引き分けに終わった。続く2019年2月10日には、再び日向野知恵と日本女子ミニマム級王座をかけて対戦するも、僅差のスプリットデシジョンによる判定で惜しくも敗れ、タイトル獲得はならなかった。

しかし、粘り強く挑戦を続けた結果、2020年1月27日、ボクシングの聖地とも呼ばれる後楽園ホールにて、空位となっていた日本女子ミニマム級王座をかけて下岡由美子と対戦する。この試合では、的確なボクシングを展開し、ジャッジ3者全員が成田を支持する3-0の判定勝利を収め、悲願の日本王座を獲得した。同年12月13日には、エディオンアリーナ大阪の第2競技場にて、モンブランみきを挑戦者に迎えて初防衛戦に臨む。ここでも持ち前の粘り強さを発揮し、再び3-0の判定勝利で王座の初防衛に成功した。

ミニマム級での成功を経て、階級をライトフライ級に上げ、次なる目標としてOPBF東洋太平洋王座を目指すこととなる。2021年8月11日、エディオンアリーナ大阪第2競技場にて、伊賀薫とのOPBF東洋太平洋女子ライトフライ級王座決定戦に臨んだ。この試合も判定にもつれ込む展開となったが、3-0で勝利を収め、OPBF王座も獲得。二階級制覇を達成した。この試合後には、同年7月7日に入籍していたことも合わせて報告した。

順調にキャリアを重ねていた成田は、世界挑戦へのステップとして重要な一戦を迎える。2022年12月9日、後楽園ホールにてWBA女子世界ライトフライ級挑戦者決定戦に出場し、元WBO同級王者である天海ツナミと10回戦で対戦した。しかし、この経験豊富な強豪との試合は厳しいものとなり、10回TKOで敗れた。これにより、WBA世界王者エブリン・ベルムデスへの挑戦権獲得に失敗し、続いていた連勝記録も3で止まった。

天海ツナミ戦以降、約1年6ヶ月のブランクを経て、2024年6月29日に加古川市日岡山体育館でリングに復帰した。復帰戦は自身が保持するOPBF東洋太平洋女子ライトフライ級王座の防衛戦であり、ニチナート・プラブプレンと対戦した。長いブランクの影響を感じさせないパフォーマンスを見せ、6回TKOによる勝利で王座の初防衛に成功した。しかし、2024年11月には保持していたOPBF王座を返上した。

これまでのプロボクサーとしてのキャリア戦績は、14戦6勝（1KO）5敗3分である。

獲得タイトル

第4代日本女子ミニマム級王座（防衛1）
第7代OPBF東洋太平洋女子ライトフライ級王座（防衛1）

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