ミニマム級

ミニマム級の概要

ミニマム級（英: minimum weight）は、ボクシングをはじめとする格闘技で使用される階級の一つです。この階級は、ストロー級（英: straw weight）やミニフライ級（英: mini fly weight）とも呼ばれ、それぞれの団体によって名称が異なる場合があります。これらの名は、「ストロー」が「藁」を、「ミニマム」は「最小」を意味していることからきています。

ボクシングにおけるミニマム級

プロボクシングでは、ミニマム級の契約体重は105ポンド（47.627kg）以下となっており、男子の全17階級中で最も軽量な階級です。この階級は、WBAでは「ミニマム級」、WBCでは「ストロー級」、IBFおよびWBOでは「ミニフライ級」と呼ばれており、団体ごとに呼称が統一されていないのが特徴です。特に、WBCは1998年から2002年頃まで「ミニマム級」、2020年頃まで「ミニフライ級」としていた経歴があります。また、日本では1999年からこの階級が「ミニマム級」として統一されましたが、ストロー級時代に世界王者となった大橋秀行氏は「ミニ」という名前が弱々しく聞こえるとしてストロー級の復活を提言しました。

女子ボクシングにおいても、アトム級（102ポンド、46.266kg）が設けられていますが、女子の一部団体ではこの階級をミニマム級またはストロー級と呼ぶことがあります。日本女子ボクシングでは、ミニフライ級が一般的に用いられていましたが、2018年より男子と同様にミニマム級に統一されました。

歴史と選手たち

ミニマム級は1986年に創設され、最も新しい階級として認識されています。WBCCの初代ミニマム級王者は当時18歳の井岡弘樹選手で、日本記録として王座を獲得しました。WBAの初代王者はレオ・ガメス選手で、彼はミニマム級からスーパーフライ級までの4つの階級を制覇した選手です。2012年には、日本初の世界正規王者同士の王座統一戦が井岡一翔選手と八重樫東選手の間で行われ、井岡選手が勝利して日本における分立団体の統一世界王者となりました。女子ではシュガーみゆき選手や菊地奈々子選手がこの階級で世界王座を獲得しています。

この階級の世界王座について、リカルド・ロペス選手（メキシコ、WBC）の最多防衛記録は22度、女子ではアナベル・オルティス選手（メキシコ、WBA）が12度の防衛を記録しています。また、日本人選手の最多防衛は新井田豊選手（横浜光、WBA）の7度、女子では多田悦子選手（フュチュール、WBA）の9度という実績があります。

総合格闘技・ムエタイにおけるミニマム級

総合格闘技においては、最も軽量な階級としてストロー級が存在します。この階級の契約体重は115ポンド（52.163kg）以下で、2015年にボクシング・コミッション協会によって正式に規定されました。ただし、UFCなどの主要団体ではストロー級は設置されていません。

ムエタイでは、この階級はミニフライ級と呼ばれており、こちらも同様に契約体重は105ポンド（47.627kg）以下で定められています。世界ムエタイ評議会によってこの階級は規定されています。

ミニマム級は、軽量級のボクシングや格闘技においても重要な役割を果たしており、数多くの才能ある選手たちが活躍する舞台となっています。

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