成金 (落語家ユニット)

成金の歩みとその影響

成金（なりきん）は、落語芸術協会に所属する二ツ目落語家および講談師11名から成るユニットで、2013年9月から2019年9月まで、東京・西新宿のミュージックテイトで毎週金曜日に自主公演を行っていました。このユニットは、落語の古典と現代の演芸文化を融合させる試みの一環として、関心を集めました。

「成金」という名前は昔昔亭A太郎が名付けたもので、初めは「成金プレリュード」として短期間の定期公演が行われた後、2013年11月から毎週金曜日に定例の落語会をスタート。その中で、多様な企画公演も実施され、地域の文化振興にも寄与しました。

特に、年末に開催される全メンバー出演の特別公演「大成金」は、ファンの間で非常に人気があり、2019年には札幌市での公演が650人もの観客で賑わうほどでした。このような活動の中で、メンバーたちの技術は向上し、地方公演も実現しました。また、メンバーの主要な目標の一つには、いずれ真打に昇進することがありました。事実、2018年にはメンバーの真打昇進が決定し、2019年9月に「成金」はその活動を終了しました。この決定には、全員が真打になることを望む熱意があったといいます。

成金の活動中には、積極的なPR戦略が展開され、twitterやウェブを通じて多くの情報が発信されていました。しかし、その活動は2021年3月までに全て終了しました。

メンバーと功績

メンバーの中には、NHK新人演芸大賞を受賞した桂宮治と笑福亭羽光が含まれており、彼らは若手落語家の新たな顔としての地位を確立しました。2019年10月からは、その活動を引き継ぐ形で「芸協カデンツァ」という新たなユニットが結成され、週一回の定例落語会やYouTubeでの配信など、現代的なスタイルでの公演が行われています。

2022年5月には全メンバーが真打に昇進し、その後も弟子を取るなど、中堅から若手落語家として新たなステージに向かっています。弟子の取得は、成金メンバーの成長と伝承の象徴といえるでしょう。具体的には、神田伯山が最初に弟子を採ったことから、その流れが広がりを見せています。

メディアでの影響

加えて、成金はメディアでの露出も多く、ラジオや書籍に多数出演。特に、落語ファンや新しい観客を対象にした出版物が存在し、彼らの芸や活動について知るための良い手段となっています。例えば、「成金本」や「イケメン落語」などが発行され、個々のインタビューや活動記録が収められています。これにより、成金は落語界に新しい風を吹き込んでいったと言えるでしょう。

今後も成金のメンバーがどのように成長し、落語界に影響を与えていくのか期待されます。

もう一度検索