或る日突然

トワ・エ・モワ「或る日突然」

「或る日突然」（あるひとつぜん）は、日本のフォーク・ポップスシーンを代表する男女デュオ、トワ・エ・モワが1969年に世に送り出した楽曲であり、彼らにとって記念すべきデビューシングルです。この楽曲は、同年5月10日にEP盤としてリリースされ、瞬く間に人々の心をとらえ、グループの代表作の一つとなりました。

オリジナルシングルの成功

この楽曲が収録されたシングルレコードは、トワ・エ・モワのキャリアの第一歩となる作品でしたが、その完成度の高さとメロディの美しさが評価され、大きな商業的成功を収めました。当時の音楽チャート、週間オリコンシングルチャートでは最高4位まで上昇し、一躍彼らの名前を広く知らしめるヒット曲となりました。この楽曲の制作には、当時の日本の音楽界を支えた一流のクリエイターたちが携わっています。情感豊かな歌詞は山上路夫氏が手掛け、美しく印象的なメロディは後に多くの名曲を生み出す村井邦彦氏が作曲、そして楽曲の世界観を広げる洗練された編曲は小谷充氏が担当しました。

1993年のリミックス盤

オリジナル盤の発表から24年を経た1993年5月12日、この名曲は新たな息吹を与えられて再びシングルとしてリリースされました。この際に発売されたのは、オリジナルの音源からトワ・エ・モワのヴォーカルパートを活かしつつ、アレンジを現代的に刷新したリミックスバージョンです。このリミックスは米光亮氏が手掛け、当時の音楽トレンドを取り入れたサウンドへと生まれ変わりました。1993年盤は、テレビドラマ「嘘つきは夫婦のはじまり」のオープニングテーマとして使用され、世代を超えて再び多くの聴衆に聴かれる機会を得ました。しかし、チャート成績においてはオリジナル盤ほどの勢いは見られず、週間オリコンチャートでの最高位は70位にとどまりました。

著作権について

「或る日突然」の楽曲原盤に関する著作権は、トワ・エ・モワがキャリア初期に所属していた渡辺プロダクションの関連会社である渡辺音楽出版によって所有・管理されています。これは、当時の日本の音楽業界における権利関係の一般的な構造を示す一例と言えます。

収録曲リスト

オリジナルEP盤（17cmEP EP-1147）

1969年5月10日発売。

或る日突然
作詞：山上路夫
作曲：村井邦彦
編曲：小谷充
恋人のなぎさ
作詞：山上路夫
作曲：村井邦彦
編曲：小谷充

1993年盤CDシングル（8cmCD TODT-3033）

1993年5月12日発売。

或る日突然
作詞：山上路夫
作曲：村井邦彦
編曲：小谷充、米光亮（リミックス）
恋人のなぎさ
作詞：山上路夫
作曲：村井邦彦
編曲：小谷充
或る日突然（カラオケ）

主なカバーバージョン

「或る日突然」は、時を経て様々なアーティストによってカバーされています。中でも注目されるカバーの一つに、野宮真貴によるものがあります。彼女は2016年8月31日にリリースしたカバーアルバム『男と女 〜野宮真貴、フレンチ渋谷系を歌う。』の中でこの楽曲を取り上げており、「或る日突然 -Gainsbourg Version-」というタイトルで収録されています。

関連事項

1969年の音楽：この楽曲が発表された1969年は、日本のポピュラー音楽においてフォークやニューミュージックといったジャンルが台頭し始めるなど、多様な動きが見られた重要な年でした。

この楽曲は、トワ・エ・モワの出発点であると同時に、当時の日本の音楽シーンを象徴する一曲として、現在も多くの人々に愛され続けています。

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