戦友会

戦友会について

戦友会（せんゆうかい）とは、日本の元軍人を中心に構成される民間団体であり、主に大日本帝国陸軍と大日本帝国海軍の元兵士たちが集まっています。この団体は、同じ部隊や戦場で共に戦った仲間を中心に編成されており、戦没者の慰霊活動や会員同士の親睦を目的としています。

設立と数の推移

日本では、第二次世界大戦が終結した後の1953年に多くの戦友会が設立されました。設立された数は不明ですが、最盛期には数千もの団体が存在したと考えられています。1980年には、『歴史読本』が行った調査によると、約1300の団体が確認され、1983年には1589団体の有効回答があったというデータもあります。また、一説によると数万団体にも達した可能性があるとのことです。

これらの戦友会は、数人の小規模なものから数千人が所属する大規模なものまでさまざまな形態で存在します。一般的には、同じ部隊や軍艦に所属していた元軍人が会員の大半を占めています。また、特定の地域や戦場に由来する団体も多く見られます。例えば、戦場がソロモン諸島であったことに由来する全国ソロモン会や、シベリア抑留者が母体となった団体などが存在しています。

活動内容

戦友会の活動内容は、大きく分けて戦没者の慰霊と会員同士の親睦の二つです。会員は、靖国神社や護国神社での慰霊祭を行ったり、戦地に赴いての慰霊旅行などを通じて、戦友や戦死者を追悼します。現地の慰霊碑の建立や部隊史の編纂を行う場合もあります。特に、遺骨収集に関しては、日本政府が民間団体の活動を制限しているため、関係国に対する配慮のもと、厚生労働省が行う遺骨収集事業のサポートを通じて活動しています。

また、親睦活動には、軍服を着用しない対等な交流や、青春時代の思い出を語り合うことが特徴的です。こうした活動を通じて、会員は過去を回想し、お互いの絆を再確認する機会となっています。

組織の分布と変遷

戦友会は、主に戦後に設立されたもので、特に太平洋戦争に関連する団体が多数あります。しかし、一部の団体はそれ以前から存在しており、日中戦争の従軍者による団体などが例として挙げられます。設立年の調査によると、終戦前に設立された団体は全体の約5%に過ぎず、1940年代後半に新設されたものが16.4%を占めています。1960年代には新設数が急増し、特に1965年から1969年の五年間では全体の20.3%にあたる団体が誕生しましたが、1970年代以降は再び減少傾向にあります。

1990年代以降は、会員の高齢化が進み、活動を停止したり解散する団体も増え続けています。こうした状況の中、全国戦友会連合会は2002年に解散しましたが、それでも2005年の調査では存続している戦友会が3割以上存在しているとの回答が得られました。

政治的活動とその限界

戦友会は、その性質上、政治的な活動を行うことは少なく、基本的には親睦や慰霊に重きを置いた活動をしています。全国戦友会連合会が靖国神社の国立慰霊施設化を目指す活動を行っていたが、参加していた戦友会は多くありませんでした。このように、戦友会は個人個人での政治活動には関与するものの、組織的には政治的な一貫性を欠いています。

このような戦友会は日本特有の存在であり、他国の戦友組織とは異なる性格があります。戦友会は、歴史的な経験を共有し、古き良き時代を振り返る大切なコミュニティとなっています。

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