戦国自衛隊 (劇画)

戦国自衛隊 (せんごくじえいたい)

『戦国自衛隊』は、半村良の同名SF小説を基にした劇画で、田辺節雄と森秀樹の二つの版が存在します。田辺節雄の作画による版は、1975年6月から1976年2月まで秋田書店の『プレイコミック』に連載され、1979年に単行本として初公開されました。後に1998年のセブンコミックス版や2003年のコンビニコミック版も発売されました。物語の中には、時代背景に合わせて変更されたセリフなどもあり、作品の時代感を反映しています。

ストーリー概要

この物語の中心には、伊庭義明3尉率いる自衛隊がいます。彼らは北陸で実施された大演習中に、突如として戦国時代にタイムスリップしてしまいます。自衛隊員たちは、飛ばされた先で越後の大名、長尾景虎と出会い、しばしの戦闘を経て和解します。この戦国時代は、本来の歴史と微妙に異なるパラレルワールドであり、自衛隊は彼らの持つ近代兵器を駆使し、歴史を変える力を持つ存在となります。

伊庭たちは次第に「とき衆」または「土岐衆」と呼ばれるようになり、彼らの存在は戦国大名たちから恐れられました。しかし、自衛隊の快進撃の前に、かつての武将、武田信玄が立ちふさがります。伊庭は同僚の死体を踏み越えながら信玄の軍勢と戦いますが、優れた戦力を持つ自衛隊は、最終的に信玄を打ち破るという展開が待ち受けます。

そして、自衛隊の兵器が単なる物資不足によって使えなくなった後、加納一士が古代技術を元に「カノウ砲」を開発し、自衛隊は再び戦場で力を発揮します。この過程で、伊庭は細川藤孝との関係を深めながら伸張していきます。最終的には、伊庭は「妙蓮寺の変」で命を落とし、彼の役割が織田信長に重なっていたことを悟ることになります。

登場人物

この作品には多彩なキャラクターが登場し、伊庭義明を中心に彼の仲間、そして敵の大名たちがそれぞれの立場から物語を進行させます。島田和秀、三田村、清水ら自衛隊員たちは、各々の信念を持ちながら戦国時代を生き抜いていきます。一方、戦国時代の武将たちもストーリーを彩る重要な役目です。

続・戦国自衛隊

続編『続・戦国自衛隊』では、21世紀の自衛隊が再びタイムスリップして関ヶ原の戦いに介入するストーリーが展開されます。新たなキャラクターとともに、さらに過酷な戦闘が描かれ、自衛隊は再び歴史の中で果たすべき役割を見出していくことになります。

世界観とタイムスリップ

『戦国自衛隊』は、単なるフィクションではなく、歴史の修正をテーマとしています。自衛隊員たちは新たに歩む歴史の中で、自らの使命を再確認し、さらなる行動へと導かれます。作中におけるタイムスリップは、彼らの運命を劇的に変え、新たな歴史の選択肢を拓くこととなるのです。

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