戦場よさらば

映画『戦場よさらば』の概要

『戦場よさらば』（せんじょうよさらば）は、1932年に公開されたアメリカの恋愛映画で、原作は著名な作家アーネスト・ヘミングウェイの小説『武器よさらば』です。映画はフランク・ボーゼイジ監督によって製作され、ゲイリー・クーパーとヘレン・ヘイズが主役として出演しました。この作品は、戦争の厳しさと、それでもなお愛を見出す人々の姿を描いています。

ストーリー概要

物語は第一次世界大戦の真っ只中、イタリア軍に従軍しているアメリカ人フレデリック・ヘンリーの視点から進行します。彼はリナルディ大佐との出会いを通じて、従軍看護婦キャサリン・バークレイを紹介されます。二人は戦争の混乱の中で強く引かれ合い、ヘンリーが怪我をしてミラノの病院に運ばれると、彼らの絆は一層深まります。

回復したヘンリーは再び戦地に戻りますが、キャサリンはスイスに住みながら、彼に向けて毎日手紙を書く決意をします。そんな中、キャサリンはヘンリーの子を妊娠することとなりますが、リナルディ大佐は彼女の手紙を誤解し、送り返してしまいます。これにより、ヘンリーはキャサリンからの音信が途絶えて不安に駆られ、軍を脱走してミラノへ向かいます。

一方、手紙を返されたキャサリンは、その現実に打ちひしがれ、ついには失神してしまいます。リナルディ大佐は、彼らの愛の真実を悟り、ヘンリーにキャサリンの所在を知らせます。ヘンリーはようやくキャサリンが入院している病院に辿り着きますが、その時にはすでに彼女のお腹の子は亡くなり、キャサリン自身も重傷に陥っていました。

ヘンリーはキャサリンに永遠の愛を誓いますが、その希望も虚しくキャサリンはヘンリーの腕の中で息を引き取ります。彼女の死に際して、周囲では終戦を告げる鐘が鳴り響き、戦争の終焉と二人の愛の儚さが対照的に描かれています。夜明けの光の中で、ヘンリーは失った愛を抱きしめ、新たな時代の幕開けを感じます。

キャスト

• - キャサリン・バークレイ：ヘレン・ヘイズ（従軍看護婦）
• - フレデリック・ヘンリー中尉：ゲイリー・クーパー（志願したアメリカ人）
• - リナルディ少佐：アドルフ・マンジュー（イタリア人軍医）
• - ヘレン・ファーガソン：メアリー・フィリップス
• - 神父：ジャック・ラ・ルー

映画の評価

この作品は、映画批評家から高く評価されています。Rotten Tomatoesによると、16件のレビュー中94%が肯定的であり、平均点は10点中7.9という素晴らしい成績を収めています。また、映画は1957年にリメイクされ、その際もその名作として再び脚光を浴びました。

まとめ

『戦場よさらば』は、戦争という過酷な状況の中で芽生える愛の物語を描き、観客に深い感動を与えます。愛と戦争の対比を巧みに描いたこの映画は、今なお多くの人々に愛され続けています。

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