戦没野球人モニュメント

戦没野球人モニュメントについて

戦没野球人モニュメントは、東京都文京区の東京ドーム内にある野球殿堂博物館に設置された記念碑です。このモニュメントは、太平洋戦争などの戦火で亡くなった、中等学校野球、大学野球、社会人野球の選手たちの功績を称え、その魂を慰めるために建てられました。野球殿堂博物館が管理を行っています。

モニュメント建立の背景

当初、東京ドーム敷地内には、戦死したプロ野球関係者を慰霊するための鎮魂の碑がありました。しかし、「プロ野球選手だけを慰霊するのはおかしい」という声が上がり、戦後60年を迎えた2005年11月に、プロ野球経験者を除く、中等学校、大学、社会人野球の選手を対象とした戦没野球人モニュメントが新たに製作されました。このモニュメントは、野球体育博物館の殿堂コーナー入り口に設置されています。

対象となった選手

モニュメントに祀られているのは、以下の条件を満たす選手たちです。

中等学校野球：選抜大会、選手権大会の本大会出場者
大学野球：東京六大学野球連盟、東都大学野球連盟、旧関西六大学野球連盟、旧関西学生野球連盟のリーグ戦出場者
社会人野球：都市対抗野球大会の本大会出場者

2018年現在、167名の戦没者がこのモニュメントに祀られています。

プロ野球経験者の扱い

本来、このモニュメントはプロ野球在籍者を除外していましたが、例外として渡辺敏夫、木村孝平、大宮清、矢島粂安の4名は、プロ野球経験がありながらも、当初は戦没野球人モニュメントに祀られていました。しかし、2015年に、これら4名と新たにプロ野球在籍が判明した田中雅治の計5名が、鎮魂の碑へ移されました。

モニュメントに刻まれた戦没野球人

以下は、戦没野球人モニュメントに名前が刻まれた選手の一部です。

高橋治一（愛知商）
梅崎作太郎（秋田中→東京製鐵）
天野安市（一宮中）
熊谷武臣（京都一商→同志社高商）
宮川喜八郎（京都一商→同志社高商）
加藤義男（岐阜商→南満州鉄道）
吉田文治（神戸一中）
渡辺勝次（佐賀中）
板倉造（大社中）
三曽野一雄（台北一中→同志社高商）
山村五郎（台北一中→同志社高商）
(他多数)


梶上初一（広島商→慶大→東京倶楽部）
高遠輝吉（長野工→全長野→長野保線）
皆川一（鐡道教習所→門司鐡道）

鎮魂の碑へ移動した選手

2015年に鎮魂の碑へ移動した選手は以下の通りです。

大宮清（一宮中→中大→鉄道省→金鯱）
木村孝平（浪華商→黒鷲→大和）
田中雅治（海草中→明大→朝日）
矢島粂安（松本商→早大→清水建設→東京倶楽部→大日本東京野球倶楽部）
渡辺敏夫（甲陽中→法大→阪急）



戦没野球人モニュメントは、戦争によって失われた多くの野球選手たちの魂を慰め、その功績を後世に伝えるための重要な記念碑です。

外部リンク

戦没野球人モニュメント・鎮魂の碑（野球殿堂博物館）
* 戦没野球選手慰霊（沢村栄治記念館のページ）

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