戦略兵器削減条約

戦略兵器削減条約（START）

戦略兵器削減条約、通称STARTは、アメリカ合衆国とロシア連邦が結んだ一連の条約を指します。これらの条約は、冷戦後の核兵器削減を目指す重要な取り組みの一環として位置づけられており、二国間の安全保障に大きな影響を与えています。

歴史的背景

戦略兵器削減のための交渉は、1982年に始まります。この交渉は、冷戦時代における核兵器の増加に対する懸念から生まれ、両国の関係改善の一助となることを目指していました。1982年から始まった交渉は、長期間にわたり続けられ、1991年には最初の正式な結果をもたらしました。

START I

第一次戦略兵器削減条約、通称START Iは、1991年に署名され、1994年に発効しました。この条約では、両国が核弾頭や発射システムの数を制限することが定められていました。具体的には、アメリカは最大で6,000発の核弾頭を持つことができ、ロシアはこれに対抗して5,500発を上限としていました。

しかしながら、START Iは2009年に失効し、その後の新たな条約に向けた交渉が模索されることとなります。START Iの重要な成果の一つは、核兵器の洋々とした削減の原則が確立された点です。

START II

次に規定されたのが第二次戦略兵器削減条約、START IIであり、1993年に署名されました。この条約は、さらなる核弾頭の削減を目指し、双方がより厳しい制限を設けることを意図していました。しかし、START IIは最終的に発効することはなく、アメリカの一方的な撤退により実現しませんでした。

START III

第三次戦略兵器削減条約（START III）に関しては、交渉が行われましたが、途中で中断されました。これは、国際情勢の変化や両国の内政問題も影響し、統一した合意を得ることが困難になったためです。

モスクワ条約とNEW START

その後、2002年にはモスクワ条約が締結され、戦略的攻撃兵器の削減に関する新たな合意が示されました。これは2003年に発効し、両国の核戦力の制限を一層進めるものでした。

さらに、2010年には新戦略兵器削減条約（NEW START）が署名され、2011年に発効しました。この条約の下で、両国は700発の配備核弾頭を制限し、合計で1,550発以下に抑えることが要求されました。NEW STARTは、戦略兵器の削減に向けた重要な一歩として評価されています。

終わりに

戦略兵器削減条約（START）系列は、核兵器の拡散防止や国際的な安全保障において重要な役割を果たしてきました。これらの取り組みは、核戦争の危険を減少させ、両国の関係改善を促進するための重要な手段として、今後も注視されることでしょう。

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