戦艦「初瀬」と「八島」の撃沈

戦艦「初瀬」と「八島」の撃沈

1904年5月15日、日露戦争における旅順港閉塞作戦の最中、戦艦「初瀬」と「八島」がロシア海軍の敷設した機雷によって撃沈されるという惨事が発生しました。この日は晴天で、海も穏やかでしたが、当時、日本側は机上戦略を進めていたことから、艦隊の警戒が疎かになっていたのです。

「初瀬」は、第一戦隊の司令官である梨羽時起少将の旗艦として、この作戦に参加していました。午前11時頃、旅順港外の老鉄山沖で、「初瀬」は左舷艦底に機雷が設置されていたロシア海軍の敷設艦アムールによって触雷し、航行不能となります。触雷により舵機が故障し、左舷が傾き、艦の後部が沈下してしまいました。乗組員たちは好天に気を緩め、警戒心を持っていませんでした

続いて「初瀬」の救援に向かった僚艦「八島」も、午前11時10分頃に同様に触雷しました。「八島」は、「初瀬」の救助活動のために一時停船してボートを降ろしている最中でした。この結果、「初瀬」はその日の夕刻には沈没し、幸いにも戦死者は出ませんでした。

この事態を受けて、「敷島」は戦場を離脱し、現場での混乱が続きました。日本側は機雷や潜水艦による襲撃が原因であると判断しましたが、正確な状況分析が難しい中で、救援艦の「笠置」が漂流する「初瀬」を救助しようと試みるものの、午後0時33分、再び触雷しました。このとき、初瀬では後部火薬庫が大爆発を起こし、艦後部から沈没するに至りました。

この日、日本海軍は主力戦艦6隻のうち2隻を失うという大きな損失を被りました。この出来事は、日露戦争の戦局にも影響を及ぼし、一時的に日本側の軍事的優位性が損なわれる結果となりました。のちに歴史的資料としても記録が残されており、国立国会図書館や専門の著作物にも詳細に取り上げられています。

今後、このような歴史的な悲劇を繰り返さないためにも、艦隊の警戒や情報収集がいかに重要であるかが認識される必要があります。日本海軍はこの事態を契機に、海上戦略や艦隊運用の見直しを行い、以降の戦闘に生かしていくこととなるのです。

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