戦闘群戦法

戦闘群戦法について

戦闘群戦法（せんとうぐんせんぽう）は、第一次世界大戦中の西部戦線において各国の軍隊が発展させた歩兵小部隊の戦術を指します。この戦法は、特にフランス軍の1917年9月に発表された教令によって創始されたとされています。

考察

背景と発展

この戦法の形成には、ソンムの戦いを経たフランス軍小隊が基盤となっています。この時期、フランスの歩兵小隊は、従来の小銃や銃剣に加え、軽機関銃、擲弾銃、手榴弾といった多様な武器を装備し、編制としては2つの異なる半小隊から構成されていました。一つは擲弾分隊と軽機関銃分隊、もう一つは散兵分隊から成っていました。小隊は指揮官の声による統制を維持しながら行動することが重要視され、突撃時や増援時の基本単位として位置付けられていました。

しかしながら、実際には敵陣への突撃時に鉄条網を通過するためには、半小隊単位での行動が求められ、現場の状況に応じた柔軟な戦闘が必要とされていました。加えて、ドイツ軍の戦術では砲撃後に形成される穴を利用し、機関銃が移動しやすい位置に配置されることで、戦場には多くの機関銃巣が点在するようになりました。このため、従来の大規模な部隊によって敵の抵抗拠点を包囲する方法が通用しない状況が出現しました。

フランス軍の改革

1917年9月に発布された教令により、フランス軍の小隊内の半小隊の編制が均一化され、その結果、それぞれが軽機関銃分隊と擲弾散兵分隊を持つようになりました。各半小隊には特色ある武器を保持し、より独立した行動が求められるようになりました。戦闘群という名称は、フランスのこの新しい小部隊の編成に基づいており、これを観察していた日本陸軍が戦闘群戦法と名付けたのです。

また、この戦法に類似の特徴を有した諸外国の歩兵小部隊戦術も戦闘群戦法に包含されると考えられました。

戦闘運用

戦闘群戦法の具体的な運用方法としては、敵の機関銃巣に出くわした場合、まず軽機関銃でその拠点を制圧し、その後、他の兵士は地形を利用して接近します。擲弾銃の射程に入れば、擲弾を発射して敵をさらに制圧することが求められます。さらに近づいた擲弾散兵は手榴弾を投擲し、守備兵を排除するか、制圧した後に白兵戦に移行するという流れが理想的です。

もし戦闘群が敵の抵抗を独力で排除できなければ、敵をその場に留めて隣接部隊の支援を仰ぎ包囲を図ることが重要です。このように、戦闘群戦法は、機動性と独立性を重視し、柔軟な対応を可能にする戦術として評価されています。

参考文献

• - 参謀本部編『世界大戦ノ戦術的観察　第ニ巻』偕行社、1924年。
• - フランス軍総司令部作戦課編著『千九百十八年歩兵攻撃教令』偕行社、1919年。
• - Gudmundsson, Bruce (1989)『Stormtroop Tactics: Innovation in the German Army 1914-1918』.
• - Griffith, Paddy (1996)『Battle Tactics of the Western Front: The British Army's Art of Attack 1916-18』.

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