戸田貞三

戸田貞三（とだ ていぞう）

戸田貞三は1887年3月6日に兵庫県朝来市で誕生し、1955年7月31日に亡くなった日本の社会学者です。彼は東京帝国大学の名誉教授であり、専門は家族社会学でした。

経歴

戸田は1909年に東京帝国大学文学部に入学し、社会学を専攻しました。在学中は建部遯吾から指導を受けながら、外山正一の影響を強く受けました。彼の卒業論文のテーマは「日本に於ける家の制度発達の研究」で、1912年に卒業した後、1920年には母校で講師として教壇に立つことになります。

その後、彼は同年に欧米に留学し、シカゴ大学などで研究を行いました。シカゴ大学ではロバート・E・パークからの強い影響を受け、帰国後は東京帝国大学で助教授、教授へと昇進していきます。1938年には国粋主義の研究団体「帝大満蒙研究会」の責任者を務めるなど、学問だけでなく社会活動にも積極的に関わりました。

戦後の活動

太平洋戦争後、戸田は1945年に文部省の公民教育刷新委員会の委員に任命され、1947年には東京帝国大学を定年で退官し、名誉教授となりました。その後は東洋大学で教鞭を取り続けましたが、彼の学術的貢献は学問の枠を超え、社会的な議論にも多大な影響を与えたものです。彼は1955年に亡くなりました。

研究内容と業績

戸田の主な研究分野は家族社会学であり、その著作は全14巻にわたる著作集としてまとめられています。彼は家族を単なる社会制度として捉えるのではなく、少数集団の単位として理解しました。特に1920年の国勢調査に基づき、日本における家族形態の大部分が核家族であることに言及し、夫婦と未婚の子どもから構成される家族の在り方を示しました。この著作により、彼は「世帯」という概念を本格的に社会学に導入した重要な学者として知られています。

戸田の研究は、家族の在り方を理解する上で新たな視点を提供し、家族社会学の発展に大きな影響を与えました。彼の著書や共著も多数存在し、教育の場でも彼の考え方は広く受け入れられています。特に、政府や社会調査に関する著書は、当時の社会的な問題に対する彼の思索が反映されており、時代を超えて評価され続けています。

著作と指導者としての役割

戸田は、著作集を始めとする多くの著作を世に送り出しました。その中には『家族と村落』や『社会調査の方法』といった作品があり、社会学の分野で重要な位置を占めています。

彼の指導を受けた学生たちは、彼の学問的アプローチを引き継いでおり、戸田の研究は現在も広く受け継がれています。彼の業績は日本の社会学界において不朽のものとされ、多くの後進に影響を与え続けています。

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