手をつないでかえろうよ〜シャングリラの向こうで〜

手をつないでかえろうよ〜シャングリラの向こうで〜

『手をつないでかえろうよ〜シャングリラの向こうで〜』は、今井雅之による戯曲で、彼のオリジナルの作品として2009年に初演され、その後も繰り返し上演されてきました。この作品は、特攻隊員を描いた彼の名作『THE WINDS OF GOD』の続編であり、戦争を直接描写することなく、争いの本質について問いかけています。

概要

2009年に初演された本作は、主人公が自らを見つける旅を通じて、様々な人生のテーマを探求する物語です。作品では「生と死」という重厚なテーマが扱われ、主人公が出会った女性との会話を通して、自己認識や宇宙、神、さらには「生きること」について考察していきます。旅は、リアルなロードムービーのように展開されることで、観客に深い思索を促します。

この作品は、東京・名古屋・大阪の三都市での初演後、2010年には全国公演を実施し、2014年にも再演されました。いずれの公演でも観客から好評を博しました。

あらすじ

物語は、軽度の知的障害を持つ主人公・尊真人の視点から展開されます。彼は中学校の特別支援学級で同じ障害を持つ咲楽と出会い、彼女との不器用ながらも真摯な愛情を交えながら成長し、最終的には結婚します。しかし、真人は咲楽を守るために犯罪を犯し、彼女との新婚旅行に思いを馳せつつ自らの人生を見つめ直す旅に出ることになります。

旅路で、真人はヒッチハイクをしていた麗子を車に乗せ、彼女との会話を通じて神や歴史、人間の存在についての疑問に答えを求めていきます。話が進むにつれ、咲楽から残された「エッチと銭の間にあるもの」に関するなぞなぞの意味も明らかになってきます。最終的には伊勢神宮に到着し、麗子が置き忘れた箱から意外な発見をすることになります。

登場人物

• - 尊 真人：主人公。軽度の知的障害を持つ。
• - 武内 麗子：真人が旅で出会う女性。
• - 咲楽：真人の幼なじみであり、妻。
• - 緒方 弁慶：不良少年であり、ヤクザの子供。
• - 尊 義男：真人の父。
• - 砂川 哲：緒方とコンビを組む不良。

公演歴

本作品は何度も公演されており、2009年の初演以降、全国各地で上演を行っています。その後、2014年にも再演が行われ、多くの観客の心を掴みました。

映画化

2016年には、今井雅之が脚本したこの戯曲を基に映画が制作され、旧友である川平慈英が主演を務めました。映画は今井の一周忌にあたる日に公開され、観客に深い感動を与えました。

この作品は、今井自身が提起した問いに対する探求の旅を描いており、観客に自らの生き方や人間関係に対する深い洞察を促す力を持った物語です。都心の公演から全国の映画館へと広がったこの作品は、多くの人々が共感する、心の深い部分に訴える内容となっています。

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