手島雄介

手島 雄介（てしま ゆうすけ）

手島雄介は、1983年1月26日に埼玉県さいたま市で生まれた、日本の元モーターサイクルロードレースライダーです。現役引退後は、レーシングチームの監督として後進の指導にあたっています。愛称は「テッシー」として多くのファンに親しまれ、身長172cm、体重65kg、血液型はB型です。

競技人生の始まり

手島のレースキャリアは9歳から始まりました。初めて出場したポケバイのレースで優勝という鮮烈なデビューを飾ると、その後ミニバイクレースへとステップアップ。中学生の頃には、自ら参戦車両の整備を行うなど、ライダーとしてだけでなくメカニカルな知識も培っていきました。この時期のレース活動は、主に家族のサポートによって支えられていました。

名門チーム加入と初期の成功

2000年、手島はヤマハ系トップチームであるSP忠男レーシングに加入し、SP250クラスにデビューしました。プロとしての初戦でいきなり2位表彰台を獲得する実力を見せると、同年夏に鈴鹿サーキットで開催された4時間耐久ロードレースでは、当時17歳という若さでペアを組んだ三瓶陽介と共に優勝を成し遂げ、将来を嘱望される存在となりました。

全日本での躍進

翌2001年にはST600クラスへと転向し、ST600イーストエリアチャンピオンを獲得。そして2002年には、全日本ロードレース選手権のST600クラスに本格参戦を開始しました。この年、スポーツランドSUGOで開催された第6戦で全日本初優勝を飾り、シリーズランキングも上位に進出しました。その後も全日本ST600クラスで安定した成績を残し、2005年にはホンダ陣営のF.C.C.TSRへ移籍。鈴鹿8時間耐久ロードレースではXX-F Div.1クラスで優勝（総合4位）という輝かしい成績を収め、全日本ST600クラスでもシリーズランキング2位となりました。

クラスアップと試練

2006年には最高峰クラスである全日本ロードレース選手権JSB1000クラスにステップアップ。MFJスーパーバイク・JSB新人賞を獲得するなど、順応性の高さを示しました。2007年にはHRC（ホンダワークス）へ移籍するという栄誉を得ましたが、残念ながらこの年と翌2008年は度重なる負傷に見舞われ、満足のいくシーズンを送ることができませんでした。

復活と全日本タイトル獲得

2009年、ホンダワークスが全日本ロードレース選手権から撤退したことに伴い、手島は古巣であるTSRへと復帰しました。復帰クラスはST600。ここでの手島は圧倒的な速さを見せつけ、見事に年間チャンピオンを獲得。一度は離れたクラスで再び頂点に立つという劇的な復活劇を演じました。

世界への挑戦、そして監督へ

2010年には、MotoGPのMoto2クラスに参戦するJiRチームからのオファーを受け、ロードレース世界選手権へのスポット参戦を果たしました。世界最高峰の舞台で戦った経験は、手島にさらなる知見をもたらしました。

ライダー引退後は、故・加藤大治郎氏の意思を受け継ぎ、ポケバイ「74Daijiro」を用いたライディングスクールを2007年から主宰し、若手育成にも力を注いでいます。そして2024年現在、手島雄介は全日本ロードレース選手権に参戦する「日本郵便 Honda Dream TP」のチーム監督を務めており、その豊富な経験と知識を活かし、チームを勝利に導くべく活動しています。選手としても監督としても、日本のロードレース界に貢献し続けている人物です。

主な戦績（抜粋）

2000年 鈴鹿SP4時間耐久レース 優勝
2001年 ST600 イーストエリアチャンピオン
2002年 全日本ロードレース選手権ST600 初優勝
2004年 FIM ST600アジアチャレンジカップ RD.4マレーシア戦 優勝
2005年 鈴鹿8時間耐久ロードレース XX-F Div.1クラス優勝 (総合4位)
2009年 全日本ロードレース選手権ST600 年間チャンピオン
* 2010年 ロードレース世界選手権 Moto2クラス スポット参戦

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